セメント協会が先頃発表した10年4月期のセメント需給は、生産は426万6,766t、09年同月比89.3%であった。
販売は、国内が314万7,826t、09年同月比88.1%。輸出が、82万7,656tで同比96.4%。販売合計、397万5,482tで同比89.7%の結果だ。
生コン市況同様、好転する気配がないわが国のセメント市況である。
輸出が相変わらず健闘している。特に、東アジア・アセアン諸国の需要が躍進している。だが、世界各国のセメントメジャーが大規模な設備を有して進出しており、その競争も激しい。その激化するセメントメジャーに太刀打ちできるほど、我が国のセメントメーカーにパワーはないだろう。
内閣が変わっても、公共事業削減の方針に変わりはない。同協会の会長に就任した徳植桂治氏(太平洋セメント(株)代表取締役社長)は、「現在の経済状況に対し、しっかりと景気対策に取り組み、内需中心の経済成長を実現する。同時に国民の安全・安心・命・財産を守るコンクリート、公共事業、アジア近隣諸国に遅れをとらないインフラ整備をさらに進めることの重要さを再認識してもらい、その後押しをしていただきたい」と政府に対してメッセージを発している。しかし、先行きはまだまだ暗い。
【河原 清明】
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