ある住宅建築関係者と話す機会があった。「施主の自由設計でよくあることが、外観やシステムキッチンなどハード面に対してとことんこだわる方々が多い。確かにハード面である外観やキッチンシステムやドア・窓なども家を建てるときに大切であるのだが、何かのメディアか映画などで観た洒落たものと同じようにして欲しいとリクエストする。気持ちは分らなくもないが、家を建てる意義や目的がどうもずれている。映画の住まいなど非現実の世界である。実際長い時間、家族と暮らす家である。見栄えより先ずは日々の生活から住空間を検討するべきであろう」と語る。
家は生活する場所である。よって日々の生活に直結した空間を造らねばならない。また生活者である施主の考えをキチンと伝えねばならない。設計者・施工者に丸投げは持っての他である。そして外観やハード面の格好良さを優先させることより生活者の習慣─日々の利便性・家族間のコミュニケーションが円滑・良好になり本当に安らげる住空間でなければならない。外観やハード面の格好良さのこだわりだけで施工してしまうと「こんなはずじゃ無かった。生活するのが苦しい」と後悔することになる。
想いの詰まった家族のための家が、ストレスの原因になることは避けたいものである。
【河原 清明】
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