現在、一刻も早く事態を終息させるべく処理が進められている家畜の伝染病、口蹄疫。政府方針で宮崎県内の発生地域内全頭の殺処分が決定し、封じ込めのための施策がなされている。この処分について獣医師や自衛隊の活動が取り上げられることは多いが、意外と知られていないのが県内の建設業者の活躍だ。
殺処分は薬殺と埋却をもってなされる。この埋却にはパワーショベルなどを使い、深い穴を掘る必要がある。そこで重機の扱いのプロフェッショナルである地元の建設業者が力を貸しているのである。
消息筋によると4月20日に口蹄疫が正式に確認されて以来、のべ1,600人を超える建設業従事者が現場へおもむき、運搬や埋却の作業に従事しているという。
投入されているのは人だけではない。パワーショベル1200台、ダンプ589台、タイヤ自走式パワーショベル330台、パールシート(投光機)や不安定な地面に敷く鉄板4,000枚(いずれも発生以来ののべ数)など、多量の重機も提供している。地場の建設業者は県の非常事態に対しこれだけの協力をしているのだ。県内建設業者は語る。
「地域の危機に私たちは協力を惜しみません。ただ、残念なことに私たちの活動はあまり報道されておりません。現場では非常に辛い作業が続いています。応援の意味もこめて、多くの方に建設業者も協力していることを知ってほしいと思います」。
今月3日、同県えびの市では口蹄疫の終息確認検査が終わり、ウィルスが駆逐されたことが確認された。同市のすばやい対応により被害は最小限にとどめられたのだ。このような活動の裏側には、報道されていない建設業者の活躍があることを忘れてはいけない。宮崎全域の一日も早い終息を願わずにはいられない。
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