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コダマの核心

ビジネス人生決算シリーズ(7)~ゼオライト50年にして満開の花を30年間は地獄の苦しみに直面した(後)
コダマの核心
2010年6月10日 08:00

<好循環の回転が始まる>

 「東京を制すれば全国を制する」鉄則がゼオライトにも生かされた。東京で同社の水プラントの技術力が評価された証はJ-POWER=電源開発(株)からの仕事の依頼である。先方から「ゼオライトさん!!水に関する相談をするから知恵を貸して」との申し出があったのだ。電気プロジェクトには必然的に水開発・処理が伴ってくる。「私のところは電源関連の技術のプロだが、水関連はまだまだ勉強の余地がある」そうだ。電源開発がセールスアタックする先は国家事業関連などで桁違いの工事が多い。いままで近寄りできなかった案件ばかりである。

 恭輔会長は「国家プロジェクトに携われば社員達のモラルが格段に上がるだろう。取引先の東レの社員の皆さんたちは『自分たちの仕事が国家の命運に関わっている』という崇高な使命感を抱いておられる。水という資源がなければ1.2億人の日本の民は生きていけない。安全保障の最大の決め手になるものだ。国家的プロジェクトや国際事業クラスのビックビジネスに接すれば必ず社員達の視野が拡がる。水確保の戦略的重要性を社員達は理解するようになれば仕事に対する使命感の質が根本から変わるだろう」。どうもゼオライトは中小企業から中堅企業へ脱皮しなければならない段階にさしかかったようである。

 好環境の歯車が回転しだすとプラスの驚くことばかりが発生するようになる。従来の上水道のプラントを取りつけてきたお客さんから「ついでに排水処理もセットで受けてもらえないか」という打診もなされるようになった。管理戸数では全国のトップクラスの会社からも「水に関するビジネスに関しては是非、コンサルしてください」と要請がなされてきている。受注環境がまるで様変わりしてきたのだ。そうなるとゼオライトの組織そのものが質的変貌することが求められてきたのである。

<中小から中堅への飛躍の到来>

河村夫妻  勝美社長が、「コダマさん!大手の企業にいた人材が再就職にお見えになられるようになった」と現状の状況を説明してくれた。筆者は「来年は従業員が100名超えるのでしょう。いまからの組織づくりは下からの積み上げでなく『200人なら、300人なら』という上から設定した組織戦略が問われます。いうならば中堅企業の組織への飛躍です。その為には大手組織の優秀かつ使命感溢れた経験者のスカウトが必要となります」と助言をした。組織の質的転換は生え抜きだけでは不可能という法則がある。

 「ご指摘通りだ。会長と私の経験と勘に頼って判断してきた組織運営だった。要は社員の皆さんに『あーしろ、こーしろ』と指示したり現場の最前線に飛び出て采配する組織繰り回しの水準だったのだ。これでは限界のあることは充分に認識している。過去のパターンを投げ捨てないと組織の飛躍はない。だから事業部長クラスを経由して組織伝達を周知させる経営者としての能力をマスターしなければならないと覚悟している」と語る勝美社長は本質を的確に掴んでいる。

 福岡の中堅企業へ質的変貌した企業には必ず大手組織に在籍していた優秀な人材が集まってくる。企業側が求めるよりも求職する側が鋭い嗅覚で探し求める感じだ。そして彼らをうまく活用した企業が質的転換に成功する。ゼオライトも50周年目には確実に満開花を咲かせるだろう。あるネットIBの読者が勝美社長批判をメールしてくれた。指摘されたことを反論するつもりはない。ただこの1年の勝美社長の顔を見たかどうか怪しい。一度、じっくりと眺めていただきたいものだ。人間は死ぬまで一生、成長するものである。

(了)


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