就任会見で、「税金の浪費をなくす」と明言した蓮舫行政刷新相だが、その政治姿勢に疑問が生じている。一部報道による事務所費問題に加え、政党交付金から派遣運転手の費用を支出していたことが明らかとなった。
まず事務所費問題では、蓮舫氏が代表を務める「民主党東京都参議院選挙区第3総支部」で計上された事務所費について、同支部の住所が蓮舫氏の自宅であったことから、不適切との指摘が出た。支出の原資が、税金を原資とする政党交付金であることもわかっており、蓮舫氏自身に説明が求められる事態となった。
10日、民主党は、同じく事務所費問題が指摘されている荒井聰国家戦略相や川端達夫文部科学相らの政治団体の領収書を公開。細野幹事長代理が「問題なし」として幕引きを図ったが、これでことが済むはずはない。蓮舫氏自身が大臣会見などの公式の場で釈明するべきだろう。
民主党東京都参議院選挙区第3総支部の支出については別の疑問もある。
同支部が東京都選管に提出した平成19年分と同20年分の収支報告書には、「自動車運行管理費用」としてそれぞれ年間約126万円と約114万円が記載されている。支出を受けたのは、都内にある運転手派遣業者である。毎月の支出額が1円単位で異なるのは、時間ごとの料金となっているためらしい(下の収支報告書参照)。
同支部の政党交付金使途等報告書を確認したところ、自動車運行管理費用は、明らかに政党交付金から支出されたものであることがわかる(下の文書参照)。
取材に対し、議員会館にある蓮舫氏の事務所は、担当者不在ということでFAXによる質問内容の送付を希望した。当方が確認した内容は、問題の支出が「運転手派遣」に対するものであるということと、派遣された運転手が蓮舫氏個人の車を運転していたことである。
10日夕、回答してきたのは何故か手塚よしお民主党衆院議員の事務所。蓮舫氏側は選挙態勢のため忙しく、選挙責任者となっている手塚議員の事務所がマスコミ等への対応をしているため了承してもらいたいという。おかしな話である。蓮舫氏の事務所は「説明責任」も果たせないらしい。「選挙で多忙」を理由に説明をほかの事務所に任せるとは言語道断である。
仕方なく話を聞いたが、問題の支出は間違いなく「運転手派遣」への支払いであり、蓮舫氏の移動時の運転を行っていたと明言した。
問題はこの後で、個人の車の運転費用を税金で賄うのは不適切ではないかと指摘したところ、「問題はない」としたうえで、「だって蓮舫さんが電車に乗ったらパニックになっちゃうでしょう」。
民主党の低レベルを象徴するかのような言葉である。人気タレントと政治家を混同しているとしか思えない。平成19年や20年頃、蓮舫氏はそれほどの大物だったのだろうか。 蓮舫氏が存在感を増したのは、民主党が政権を取ってからの「事業仕分け」によるもの。民主党の野党時代、蓮舫氏が電車に乗ってパニックが起きることなどあり得なかったと思うがどうだろう。
事務所費問題、運転手費用の問題。いずれも蓮舫氏側の逃げの姿勢ばかりが目立つ。これまでの同氏の言動からすれば、ご自身がきちんと公式の場で説明すべきだろう。選挙演説や他者への追及しかしないというのであれば、政治家としては失格ということになる。
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