吉田宏福岡市長の資金管理団体「吉田ひろし後援会」における平成20年分の政治資金収支報告書を確認すると、経常経費が事務所費201,114円、備品消耗品220,431円の合計421,525円だ。
昨日報じたように、同年に支出された政治活動費(組織活動費)の内訳は次の通りだ。
・旅費交通費 | ・・・・・・ | 939,499円 |
・渉外費 | ・・・・・・ | 1,431,241円 |
・会合費 | ・・・・・・ | 1,020,923円 |
・交際費 | ・・・・・・ | 156,816円 |
・組織対策費 | ・・・・・・ | 115,780円 |
政治活動費だけの合計は、3,664,259円で、経常経費と合算すると4,085,804円を費消していた。
しかし、これだけ使っても5万円以上の支出は1件もないことになっている。支出についての透明性はない。
渉外費、会合費、交際費、それぞれの項目については合計金額の記載しかなく、どこに支払ったものかもわからない。
すべてが飲食に対する支出だった可能性も高い。
政治活動費の不透明さに加え、収入でも不自然さが際立つ。
この年、同後援会が得た収入は412万円。このうち12万円は吉田市長が事務所を「無償提供」したことによるものだ。同後援会の主たる事務所は吉田市長の自宅であり、自宅を事務所として提供したことを「寄付」とみなして計上しているのである。珍しいケースといえる。
問題は残りの400万円の収入なのだが、これは吉田市長自身が自らの資金管理団体に「貸し付け」たことになっていた。寄付したものではなく貸しているのだ。資金管理団体は政治家の財布でもあり、1政治団体のみを指定する。代表者は、もちろん政治家本人でなければならない。
つまり吉田市長は自分で自分の財布に貸し付けを行った形になる。貸した金はいずれ別の収入から返済されるが、市長以外の人間からの寄付を返済に充てた場合、市長自身の懐は痛まなかったことになる。
自身の資金管理団体に貸し付けを行うケースが全くないわけではないが、返済原資が政治家本人以外の人間からの寄付になった場合は批判を受けても仕方があるまい。
支出の大半が飲食だった場合はなおさらだ。
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