「近年、プライバシーを重視する傾向が強い。最低限のプライバシーは確かに大切だ。だが、家族内でプライバシーに固執するばかりでは、味気ない家族生活になるのではないか。家族や兄弟・姉妹間の会話や様々なやり取りであるコミュニケーションがあまりにも希薄になるであろう。例えば、リビングやダイニングに階段を配置することで、常に家族同士顔を合わせる機会を創出する、極力壁を減らした空間を造り提案する。考えは様々であるが、私は家族との共生を一番重要視した間取り・住空間を提案することにしている」と語る福岡県内の注文住宅ビルダーの幹部。
体に優しい、健康重視の観点から自然・天然素材を使っての住まい造りは「もう珍しくなく、当たり前のこと。使っていなければ逆にハウスビルダーとしての姿勢を疑問視される」と断言する建築会社代表もいる位、標準仕様になりつつある。自然・天然をセールスポイントにすることは、もう過去のことであろう。
何を置いても家族間とのコミュニケーションは、同じ屋根の下で生活するには一番大切であると記者も切実に感じた。何故なら、近年はコミュニケーション不足による家族間のトラブルが多発している。「自立させて、判断力を養うためには個室が重要」という住空間の考えもあるだろう。だが、許せるキャパシティ内で家族が一緒に居て、話し、笑い、そして学べる空間を必ず造るべきであると思う。改めて述べるが、外観やデザイン性の前に、先ずは家族と共に住むことを最優先した住空間を造り出して戴きたい。また住まいの造り手の方々にも、是非家族との共生をキーファクターにした住まいの提案を外観やデザインの前に、こだわって実施して戴きたいと願う。心身の健康の第一歩は、毎日生活する住空間であろう。
【河原 清明】
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