福岡市長選に向けての各陣営の動向は、すべて参院選の結果次第ということになりそうだ。
現職の吉田宏福岡市長は、参院選で特定の政党を応援しないことを明言してきたが、今月8日の定例会見でも記者からの質問に答えて次のように発言した。「中央の政治、具体的に言えば国会議員を選ぶ選挙などを含めてですが、政策的なものも含めた政党間の競い合いというのは当然なのですが、地方自治を預かる人間としては、市民生活をどうするかということを最優先して考えるべきだと思っていますので、政治的にどちらか極端に入っていくというのは、いままでどおり中立的な立場でいきたいと思っています」。
「しかし」と市議会関係者は語る。「吉田市長は参院選の結果を見ているだけ。民主が勝てばすり寄るだろうし、負ければ『市民党』を名乗り民主の色を消した選挙を目指す。ただ、なぜか民主党市議団の江藤、栃木両氏が強く吉田氏を推している。後援会組織を持たない市長だけに、ビラ配りや選挙用ポスターを貼る算段さえできない。カネで人を雇うか、労組に頼むしかない。民主が正式に推薦しない限り、労組は動かない。江藤市議らは民主党として吉田さんを正式に推薦するため、強引に県連を動かそうとするだろう。しかし、衆院選につづき参院選でも推薦母体である民主党の応援を拒否する姿勢は理解されない。数千万円もの選挙資金を出してやったうえ、総力戦で吉田市長を誕生させた民主党を何だと思っているのか」。こうした手前勝手な市長サイドの手法には、民主県連内から厳しい視線が注がれているという。
一部の市議を除き、大半の国会議員、県議が吉田市長に対して距離を置いており、再選にも反対であることが分かっている。「公約反故」が代名詞になった吉田市長をかつぐことで、来年の統一地方選に大きな影響が出るからに他ならない。
参院選後、吉田市長がどう動くか注目である。
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