「香椎幼稚園の閉園問題について知って欲しい」。16日夕、福岡女子大学(以下、福岡女子大)の正門近くで、香椎幼稚園の先生たちによる、香椎幼稚園新聞「なかよしひろば」の配付が行なわれた。
配られた新聞を受け取った大学生を対象に、閉園問題について質問した。その結果、ほとんどの学生が香椎幼稚園の閉園について「知っている」と回答した。しかしながら、その閉園にいたる経緯、それどころか香椎幼稚園が自分たちの先輩である福岡女子大の同窓生によって設立され、今も同窓生によって運営されている事実を知る者は"皆無"という状況だった。
福岡女子大にとって香椎幼稚園とは一体何なのだろうか。
繰り返しになるが、同幼稚園は、福岡女子大の同窓生たちが"地域への恩返し"として設立し、約半世紀という長い間、地域の幼児教育に多大な貢献をしてきた教育施設である。地域住民の評価も高く、現在も園児の保護者たちが、その教育を残そうと自らを犠牲にして訴え続けている。
その意味において、同幼稚園の存在は、福岡女子大・同窓生の社会貢献の実例であり、偉大なる功績である。そして、そのことを後輩に語り継ぐことは、社会教育の一環となり、同時に母校への誇りを芽生えさせるものではないだろうか。
もちろん、強い関心を示した学生たちもいた。栄養士を目指す栄養健康科学科の学生たちである。同学科の4年生は、「食育」のカリキュラムにおいて実習を積んだ香椎幼稚園を身近な存在として閉園を憂えていた。また、複数の1年生からは「先輩たち(同窓生)が閉園しようとしていることが理解できない」との批判の声があがった。
本稿を読んだ学生たちは、先輩たちの偉大な功績であり、母校の誇りである香椎幼稚園の閉園について問題意識をもって考えて欲しい。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら