吉田宏市長の再選出馬が確実視されるなか、野党会派の中心である自民党市議団の動きが鈍い。
元教育長・植木とみ子氏は、出馬に向けての環境整備を続けており、すでに保守系を中心に大半の市議、県議への挨拶が終わったとされる。
しかし、自民党市議団内部には植木氏を支持する声が少なく、候補者の絞り込みが難航。山崎拓・元自民党副総裁を推す声さえ上がっているという。
意見集約が進まない原因は、長老組と呼ばれる古参議員らと中堅・若手議員との間に生じている溝。古参議員の一部が植木氏支持で動いたことに対し、反発する声は少なくない。
ある自民党関係者は、次のように語る。
「長老議員がいいところだけを持っていく現状に対し、多くの議員が反感を抱いている。市長選の候補擁立を遅らせ、時間切れを狙い、『植木しかいないじゃないか』ということでまとめようとしているんじゃないか。自民だけでなく、みらい福岡や公明サイドもその手には乗らない。どこの会派も責任だけを押し付けられることは嫌うに決まっている。まず自民内がまとまらなければ先には進まない。誰もが納得する候補がいて、その人が出馬をOKするかどうかだ。参院選で自民党が惨敗するようなら、誰も自民の誘いには乗らないだろう。その時、植木さんでいくか、あるいは山崎さんでいくかということになる。もちろん第3の候補が出てくることが一番望ましい」。
6月議会での出馬表明を見送る構えの吉田市長は、参院選の結果を見極める模様。対する野党会派側も参院選後まで市長選候補の擁立作業を先送りするものと見られる。
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