<塩事業センターに埋蔵金か>
このような事態に追い討ちをかけるように5月18日、政府の行政刷新会議が行なっている事業仕分け第2弾の対象に(財)塩事業センター(東京都品川区)の名が挙げられた。同センターは大きく分けて2つの業務を担っている。塩に関するさまざまな調査研究事業と生活用塩の安定供給および自然災害などの緊急事態に備えた塩の備蓄事業である。同センターは、生活用塩のシェアの約4割を占めている。
事業仕分けでは、販売価格が適正かどうか、資産から負債を引いた約600億円にものぼる「正味財産」などが議論の焦点となった。結果は、「過大分の国庫返納を含めた見直し」となった。
資産運用で得た余剰な埋蔵金ではないかとの本誌の取材に対し同センターは、「万一のために備えた塩の備蓄で費用が発生するため恒常的な赤字が発生している。その赤字の手当てを行なうために金融資産を運用して事業の運営に当てているだけ」と回答した。今後は関係機関と調整のうえ、財産をどうするか検討したいとする。あるメーカーは今回の事業仕分けの結果を踏まえて、「どうみても不自然な金額」と疑問を投げかける。そして次のような噂話を明かした。今後同センターが資産を元売業者の流通コストとして分配するのではないかというのである。根拠のない情報ではあるものの、このような風聞が飛び交うこと自体、新たなステージに立った業界にあって、ギクシャク感をまぬがれない。不名誉な問題が続出する事態に、関係者は出鼻を挫かれた格好だろう。
ただでさえ減塩嗜好や健康志向、少子高齢化などにより家庭用塩の消費は減少傾向にある。多数の関係者が知恵を傾けて進めてきた今回の規約の実施だけに、事態の早期決着と一層の結束を図らなければならないのではないか。
【田代 宏】
某製塩メーカーから本誌に寄せられた意見書(抜粋)
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