6月25日、国土交通省は、2009年度住宅市場動向調査について発表した。
同調査は、住生活基本計画に位置づけられた市場重視・ストック重視の視点を踏まえ、市場機能が適切に発揮される条件を整備し、既存ストックの質を高めながら有効に活用していくための住宅政策のあり方や住宅に関する予算、税制、融資の企画立案の基礎資料を得ることを目的として、個人の住宅建設、分譲住宅の購入、中古住宅の購入、民間賃貸住宅への入居、住宅のリフォームの実態を明らかにするために毎年度実施している 。
市場のカテゴリーは、注文住宅・分譲住宅・中古住宅・民間賃貸住宅・リフォーム住宅にそれぞれ分かれて調査されている。
調査項目は、全カテゴリー共通分として、
1)世帯に関すること
・ 居住人数
・ 65 歳以上の居住者の人数
・ 世帯主の年齢
・ 世帯主の職業
・ 住宅建築当時の世帯主の勤続年数
・ 世帯年収(税込み)
2)資金調達方法*1
・ 住宅建築(購入、リフォーム)資金(資金内訳、返済期間)
・ 住宅ローンの年間支払額
・ 住宅ローン減税制度適用の有無
・ 民間金融機関からの借入金金利タイプ(民間金融機関(住宅金融支援機構提携ローン以外)から借入がある時のみ)
・ 民間金融機関への融資申込の有無
・ 希望額融資を断られた経験の有無
・ 希望額融資を断られた理由
・ 民間金融機関からの希望額融資の可否
・ 融資を受けられなかった場合の資金の調達方法
3)建築(購入)にあたり影響を受けたこと*1
・ 今回の住宅に決めた理由*2
・ 住宅の建築(購入)にあたり影響を受けたこと*3
4)今回の住宅と直前の住宅(リフォーム前後)の比較
・ 直前の住宅の種類*2
・ 直前の住宅の家賃(直前の住宅が賃貸住宅の時のみ)*2
・ 直前の住宅の取得時期(直前の住宅が持家の時のみ)*3
・ 直前の住宅の処分方法(直前の住宅が持家の時のみ)*3
・ 直前の住宅の取得価格と売却価格(直前の住宅が持家で、かつ売却した時の
み)*2
・ 今回の住宅と直前の住宅の比較(住宅の建て方、延べ床面積、敷地面積、高
齢者対応設備、省エネ設備、定期借地制度の利用の有無、通勤時間)*4
5)住宅性能表示制度について*1
・ 住宅性能表示制度の認知度*3
・ 住宅性能表示制度の利用の有無*3
・ 住宅性能表示制度を利用しなかった理由(住宅性能表示制度を利用しなかった時のみ)*3
*1 民間賃貸住宅を除く
*2 リフォーム住宅を除く
*3 民間賃貸住宅、リフォーム住宅を除く
*4 リフォーム住宅は、延べ床面積、高齢者対応設備、省エネ設備のみ
調査結果のトピックスとしては、
(1)居住人数の平均値
・注文住宅:3.5人
・分譲住宅:3.2人
・中古住宅:2.9人
・民間賃貸住宅:2.3人
・リフォーム住宅:3.1人
賃貸住宅は1~2名の世帯の割合が57.4%、注文住宅は、3~6名以上の世帯74.5%、分譲住宅は71.2%という構成である。
(2)世帯主年齢
65歳以上の世帯主の比率は、注文住宅が最も多く26.3%と最も多く、次いでリフォーム住宅が15.8%となっている。一方世帯主の世代として最も比率の高いのは、30歳台で全カテゴリー平均44.4%。30歳台で最も多いのは、分譲住宅の56.4%、中古住宅の50.4%である。
(3)世帯年収
注文住宅:663万円
分譲住宅:768万円
中古住宅:663万円
民間賃貸住宅:536万円
リフォーム住宅:707万円
(4)住宅取得に要した金額(住宅建築費と土地購入費の合計)
注文住宅:4,136万円
分譲住宅:4,171万円
中古住宅:2,667万円
リフォーム住宅:320万円
(5)資金調達方法の割合
注文住宅:自己資金42.2%、借入金:57.8%
分譲住宅:自己資金31.5%、借入金:68.5%
中古住宅:自己資金29.3%、借入金:70.7%
リフォーム住宅:自己資金65%、借入金:35%
自己資金において全カテゴリー共通して最も多いのは預貯金・有価証券売却代金・退職金が全カテゴリー平均35%である。また、借入金において、民間金融機関が圧倒的に多い。ちなみに「フラット35」は借入金の中で20~30%の割合である。
【河原 清明】
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