福岡市は平成20年夏、1,470万円をかけて「平成20年度市役所西側『ふれあい広場』ヒートアイランド対策実証実験業務」を委託した。
市役所前広場において、天然芝、人工芝、保水性ブロック、朝顔の回廊、ドライミストなどが、ヒートアイランド対策にどの程度有効か実験し、合わせて同広場での恒久的対策実施の可否を検討するためだ。
その結果をまとめた「平成20年度 大都市オフィス街をモデル地区とした熱環境管理推進委託業務 報告書」には、次の記載が見つかった。
赤線で囲んだ部分は、明らかに保水性人工芝の欠点を示すものである。つまり、天然芝と違い、表面が乾燥した人工芝は、地表面温度を上昇させ、大気加熱を促進させるというのである。
これでは、ヒートアイランド対策にとってまったくの逆効果にしかならない。人工芝は、常に湿潤状態を保っていなければ効果がないのである。
そこまでして人工芝を敷設しても、「体感温度」が2度ほど下がるだけで、気温自体を下げることはないという。
実証実験の結果からは、合計8,000万円もの公金を使って人工芝を敷設する理由など見当たらない。
さらに関係文書を検証してみると、おかしな事実が浮上する。
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