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【トップインタビュー】グーグル名誉会長 村上憲郎氏(2)~ネットは生活を変えた
直撃インタビュー
2010年6月22日 08:00

成功体験は捨てよ 若者と新技術が切り拓く時代へ

 ―村上会長がグーグル日本法人の社長に就かれる前と後で、ITの世界はどのように変わってきたと思われますか。

村上 ちょうどITバブルというのが2000年くらいに崩壊します。いろいろなことがあったと思いますが、私の前職はノーテルネットワークスというカナダの通信機器メーカーでした。ここで何が起こっていたか、それは光ケーブルの引き過ぎでした。つまり、1995年くらいからネットの時代になって、幾何級数的、ネズミ算的にネットの情報が増えていく。ということで、通信業界の方々は光ケーブルを全世界に敷かなければ到底それらの情報を処理できないと感じ、一気にケーブルを敷いたわけです。しかし、それほど情報量は追いついていかず過剰投資になりました。それが2000年前後のことです。

グーグル名誉会長 村上憲郎氏 私は03年4月1日に、社員十数名のグーグル日本法人の社長を引き受けました。ITバブル崩壊といっても、ネット業界自身がダメになったわけではなく、どちらかと言えば通信インフラ業界が厳しくなった。そうした通信系の企業が崩壊していったという話で、ネット企業はそんなにおかしくはなっていなかったと思います。

 当時は今から比べると、フェイスブックもない、ツイッターもない、ユーチューブもない、そもそもソーシャルネットワークがない。検索とホームページくらいで、ブログはまだ出ていなかったと思います。いわゆるポータルと言われるサービスとイーコマースが少し始まっていて、ヤフーさんと楽天さんの元気が目立ような、そんな時代でした。もう一昔も二昔も前のような気がしますね。社長就任からわずか7年くらいしか経っていませんが。

 そういう意味においては、やはりインターネットはすばらしいスピードで人々の生活方法などを変えてきたと言えます。

(つづく)

【聞き手:大根田 康介】

<プロフィール>
村上憲郎氏村上憲郎氏
1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大学工学部卒業。卒業後日立電子に入社。78年日本DECに転職、86年から5年間米国本社勤務、帰国後92年に同社取締役に就任。94年に米インフォミックス副社長兼日本法人社長。98年にノーザンテレコムジャパン(現ノーテルネットワーク)社長。2001年にドーセントジャパンを設立し、社長に就任。03年より米グーグル副社長兼日本法人社長に就任。09年より現職。著書に『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』、『村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則』がある。

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