やはり「はじめに人工芝ありき」だった。重大疑惑に吉田宏市長はどう答えるだろう。

　福岡市は平成20年６月、ヒートアイランド対策の一環として「平成20年度市役所西側『ふれあい広場』ヒートアイランド対策実証実験業務」を委託したが、同業務の「委託仕様書」では、なぜか特定企業の人工芝を使用して実証実験を行うよう指示していた。

　「仕様書」で指定された保水性人工芝は《モンド社製　モンドターフ》（文書参照）で、他社の人工芝を使った実験ができない状況を作っていた。この業務委託以前、市が保水性人工芝の性能比較を行った事実はない。「はじめに人工芝ありき」さらに言えば「はじめにモンドターフありき」だったことになる。
　「モンドターフ」は、イタリアのモンド社が開発した保水性人工芝で、国内では、ゴム・合成樹脂製品の販売・施工を行う「クリヤマ株式会社」（本社：大阪市）が総代理店を務めている。
　
　福岡市環境局に確認したところ、同年の実証実験後、ヒートアイランド対策事業に「人工芝」を使う方針を決めた時の「方針決定の決済文書」は存在しないことが明らかとなった。

　さらに、実証実験で使用する人工芝を「モンドターフ」にした根拠を示す文書も不存在であることがわかってきた。

　モンドターフ使用に至る過程は、まったく不透明だ。ヒートアイランド対策のため費消された実験などの業務委託費は、計3,336万2,700円。はじめから「モンドターフ使用」が決まっていたのなら、まったく必要のない支出だったことになる。

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