下の文書は、福岡市が運営費の大半を負担する体験型ロボット施設「ロボスクエア」の運営費をめぐる詐欺、収賄事件の主役である元市職員・新川信一被告が、同施設移転にともなう電通九州との不適切な契約の内容について述べたものだ。
追加工事」の文字が示すとおり、当初9,000万円以内で済むとされた移転費用は大きく膨らみ、全体で約1億2,400万円となる。電通九州分だけで117,814,783円にのぼるのである。
中央三井信託銀行が負担した移転補償費用は9,000万円で、電通九州に83,953,000円、運輸会社に2,447,000円、機械移転などを請け負った企業に3,600,000円が、直接支払われていた。予定を超えて膨らんだ約3,400万円余りは、ロボスクエア運営委員会が返金を受けた博多リバレインの敷金の一部24,877,200円と、同委員会の運営経費8,984,583円が充てられることになる。
問題は、移転費用金額そのものの真偽である。昨年、福岡市へ情報公開請求して入手した公文書の中には、電通九州への支払い額117,814,783円について、その内容を証明するものが存在していない。最終的な明細はなかったのである。
移転費用が膨らみ、補償金額の9,000万円を超える結果となっているが、残された公文書では、どの時点で補償額を超えることが分かったのかさえ判然としない。
福岡市による内部調査の結果として、電通九州側と新川被告の言い分を文書化してはいるが、前述の疑問点には何の答えも出していない。ただ両者の主張する移転費用額だけを確認したに過ぎず、これをもって約3,400万円の未払い金を精算してしまったのだ。
常識はずれの運営実態を、調査にあたった市側が追認した形で、公金支出への意識の低さを証明するものでしかない。
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