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【トップインタビュー】グーグル名誉会長 村上憲郎氏(10)~禁止することを禁止せよ
直撃インタビュー
2010年6月30日 08:00

成功体験は捨てよ 若者と新技術が切り拓く時代へ

 ―私のような若い世代はむしろ過去の成功体験というのをあまり知りません。社会に出たときから不況期を過ごしていますから。

村上 オジサンたちはどうなっているかというと、昔こうだったのだからという、おいしい果実を離せばいいのに離せないのです。もっと言えば、自分が一代で会社を興したとします。すると、子どもに継がせなきゃいけないとか、何とか社員のために持ちこたえなければいけないと考える。

 それは決して悪いことではないですが、子供や社員に余計な迷惑をかける場合もあります。そんな事業なり会社は清算すべきだと思います。損切りする勇気が必要です。今一番儲かっているところに一気に力を集中し、そこをどう伸ばすか。流行りの言葉でいえば「事業仕分け」ですが、ここが難しいと思います。

 ITリテラシーについて社員教育をどうするかという話をオジサンたちがしていたりするわけです。それを若者たちは笑って見ているわけですよ。僕らはもうやっているのに、逆に教えてあげましょうかと。

 九州の企業の方々もIT武装が進んでいないというけれど、自分のところの若い人に考えさせてみたらどうかと。そうすれば、あっという間にやってしまいますよ。オジサンたちはついてこられないと思いますけど。

 ネットに関することについては、40歳以上の人は発言権なしということを決めてみたらどうでしょう。もし日本が沈没していっているとすれば、オジサンたちのせいです。

グーグル名誉会長 村上憲郎氏 40歳というのは乱暴かもしれませんが、少なくとも50歳以上の人たちは発言権なしと。その世代の人たちはすぐに何かを禁止したがるのです。そのため、オジサンたちから禁止したがる発想が出てきたら、ちょっと待てよと踏みとどまりなさい。自分が禁止することを禁止しなさいよと。

 これは我々の時代のスローガンですけれど、1960年代の学生運動が盛んだったころ、「禁止することを禁止する」と言っていました。それが、本当に今言われるべきことだと思います。

 オジサンたちは、今まで安心、安全という社会をつくってきました。それは十分に誇ればいいと思います。本当にすばらしい社会をつくってきたのですから。けれども、それがゆえに成功体験が今まさに足かせになっているのだと思います。難しいとは思いますが、それをなくさない限り、今後の日本の成長はありえません。

(了)

【聞き手:大根田 康介】

<プロフィール>
村上憲郎氏村上憲郎氏
1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大学工学部卒業。卒業後日立電子に入社。78年日本DECに転職、86年から5年間米国本社勤務、帰国後92年に同社取締役に就任。94年に米インフォミックス副社長兼日本法人社長。98年にノーザンテレコムジャパン(現ノーテルネットワーク)社長。2001年にドーセントジャパンを設立し、社長に就任。03年より米グーグル副社長兼日本法人社長に就任。09年より現職。著書に『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』、『村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則』がある。

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