元市職員による詐欺、贈収賄事件で揺れる福岡市のロボット体験施設「ロボスクエア」。2007年に同施設が博多リバレインから現在のTNC放送会館に移転した際には、約1億2,400万円もの移転費用が動いていた。しかし、移転に関する業務については、契約書がないまま作業が進められたことが明らかとなっている。移転業務の中心となった「電通九州」には、移転費の大半を占める117,814,783円が支払われたが、それまで同社とロボスクエア側は多くの契約を交わしてきた関係だった。長い付き合いが「馴れ合い」を生んだと言えそうだ。
福岡市に対する情報公開請求により入手した資料によると、04年以降の5年間に電通側とロボスクエア運営委員会が結んだ契約は、確認できるもので33件。金額にすると約3,267万円にのぼる。年度ごとの契約件数と金額は次のとおりだ。
2004年度に6件 453万6,210円
2005年度に8件 1,338万6,943円
2006年度に5件 919万2,398円
2007年度に13件 501万4,767円
2008年度に1件 53万5500万円
ほとんどが随意契約で、このうち7件は契約書がないほか、納品書だけが残されたケースもある。全体としては不透明だ。「口頭」で業務を委託したとする07年度の6本の契約は、不適切な経理処理が判明した後、一切の書類の作り直しが行われていた。
当然のことながら、不適切事案が露呈した08年度の契約は1件のみとなり、09年度以降の契約は1件もなかった。
不適切な会処理が明らかとなった昨年、市側に事情を聞かれた電通九州は、ロボスクエア運営委員会に提出する形で不適切契約についての経緯を文書にまとめている。冒頭には次のような記述があった。
《電通九州(以下 当社)は平成14年7月のロボスクエア開設時に基本コンセプト基本計画・管理業務やオープニング式典・WEB関連・ツール類の制作の受託実績があります》
ロボスクエアは、「ロボカップ2002福岡・釜山大会」を契機とし02年7月に開設された。経営破たんした博多リバレインの床を埋める必要に迫られていた福岡市が、この大会を利用し体験型ロボット施設の設置を決めたのである。同大会の業務を請け負っていた電通九州がロボスクエア開設に関する仕事を受けるのは必然だった。電通九州はこれ以後、ロボスクエア関連の多くの業務を受注する。しかし、そうした長い付き合いが、担当職員との間に「馴れ合い」を生じさせ、契約書もないまま1億円を超える仕事を行うという非常識な事案へとつながったことになる。
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