福岡市が出資する第3セクターの(株)都市未来ふくおか(福岡市)は、今月の株主総会後に会社を解散し、特別清算を申し立てる模様。福岡市は同社に2億5,000万円を出資していた。
同社設立の背景には、天神地区に商圏が集中する一方で、さびれていく下川端商店街の再興を目的とする都市開発計画があった。1970年代から同地区の再開発案はあったが、住民の反対やキーテナントが決まらないなど宙に浮いた状態となっていた。計画が具体化したのは86年の桑原市政誕生から。88年に同市長の「福岡玉屋の救済も目的のひとつ」との掛け声で、下川端地区再開発が市の計画として具体的に決定。これを経て福岡市と36社の出資により、事業推進本部である都市未来ふくおかの設立、博多リバレイン(現イニミニマニモ)の開発が決まった。都市未来ふくおかは138億5,000万円まで増資し、土地を先行取得して再開発を進め、区画売却により収益を上げる事業スキームだった。
ところが、当初出店を予定していた福岡玉屋が、博多リバレインへの入居条件が折り合わず出店計画を撤回。最終的にスーパーブランドシティ(SBC)に衣替えし、都市未来ふくおかはSBCの筆頭株主として再開発を進めた。だがSBCは2002年に経営破たん。金融機関に巨額の債権放棄を求める事態となった。都市未来ふくおかは、SBCの借入金の債務保証をしており資金繰りが悪化。不動産市況の急激な悪化もあり、08年には約44億円の債務超過に陥っていた。
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