第６．福岡市が、「構造計算のことはわからない？」と重大発言したことについて

　福岡市がサムシング関係の物件を「耐震強度不足」と発表を行なった当時、福岡市の建築指導部の責任者及び担当者は、「私たちは構造計算のことはわからない」と発言されていました。（福岡市の公文書でも書かれていました。）また、その頃まで、福岡市はじめ、各行政は、建築確認業務に不可欠な構造計算プログラムさえも持っていませんでした。行政が、それまでどの様な方法で全ての建築確認申請において建築物の安全を検証してきたのか？甚だ疑問です。建築確認行政を監督する立場にある国土交通省は、これらのことを黙認してきました。黙認して来た理由及びその根拠を示して下さい。

　「構造計算プログラムさえ使用したこともない」「構造計算のこと等わからない」行政庁の担当者に、建築確認審査を行なう、現実的な資格及び資質があったのでしょうか？この事実は市民に対して、どの様な説明（釈明）をされるのであろうか？説得力ある回答を求めます。

　因みに全国的な「耐震偽装問題」の事件発生後に福岡市は必要にせまられて構造計算プログラムを購入されています。（まさに泥縄式です） 計算書の安全をチェックする道具さえ持っていなかった福岡市が過去において、どの様にして安全の確認及び建築確認通知をしていたかは甚だ疑念が残ります。

　建築確認申請においては、申請者が前払いで手数料を支払っていました。しかし、審査を行なう能力を有していない行政庁の担当者および建築主事が審査を行なっていたのが現実です。（建築構造に関する知識もプログラムも有していないと認識して建築確認を行なったことは、まさに詐欺行為そのものです）建築主や設計者のみならず、全ての国民が、行政に審査能力があると信じており、行政庁が審査能力の偽装を行なっていたとは誰も思っていませんでした。

　建築主事（れっきとした一級建築士であり、一級建築士を取得してから更に経験を積んで合格する資格である。）は、建築確認通知書に押印しています。この行為は、国民を裏切った詐欺行為です。無知識・無認識押印です。審査能力を偽装した行政庁の責任、とりわけ、押印を行なった建築主事の責任（不誠実行為）は追求されてしかるべきです。「役人は責任を取らなくてもいい」という道理は存在しません。責任は公務員も民間人も公平であるべきです。この民主主義の大原則を知らない役人は、今回の件に限らず、責任回避に躍起となって、民間人が泣き寝入りする事例は枚挙に暇はありません。

　被告（国）に説明を求めるのは、まず、構造図を含めて設計図書に記名押印を行なった元請設計事務所の責任を不問とした理由を説明して頂きたいと思います。

　次に、審査能力を偽って手数料を受け取り建築確認を行なってきた（民間が行えば「詐欺行為」）行政庁及び建築主事の責任、また監督する立場にありながら、この事実を認識してこれを放置してきた国が責任を取っていない理由、民間との違いによるバイアス的な線引きがあるのであれば、これらを、法的に明確にするべきです。

　構造技術を理解してない役人が行なった過去の他の物件（サムシング物件以外）全てにおいて建築確認には問題はなかったのか？サムシング物件とは関係なく、審査をした側の能力の問題です。私以外の過去の確認通知物件の抜き取り検査をしなくて大丈夫なのでしょうか？（現実に、もし「問題は無い」と云われるのであれば、その根拠を市民の皆様の為にも示してもらいたいものである。この問題点については、多数の資料を手元に持ち合わせておりますので、いつでも説明及び提出は可能です。）

　現に、サムシング関係以外の物件で、過去の建築確認通知書の中に不整合は数多く見受けられます。能力不足（建築局長が認めている）でありながら、手数料を受け取り、建築確認を行った行政庁並びに建築主事の責任が問われるべきです。審査能力がない行政庁が建築確認を行なった他の建物の安全性はどうなのでしょうか？国民の安全のためにも、一刻も早く調査をすべきであると思います。（因みに国の抜き取り調査でも約１７％前後に不整合が報告されています。）少なくとも、「建築士法」の名の下では、建築士の処分に関して、官も民も平等であるはずです。もし反論があるのであれば、「建築士法」のもとに明確な法的根拠のある線引きを立証すべきです。

【編集：大根田康介】

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