上海外資を含めた食品スーパーが増加している一方で、商店街や市場も数多く残っている。小さいものまで含めると数百はあるといわれる。そのうちのひとつ上海市の西南部にある「華軽綜合市場」は比較的大きな部類に入る。通りの両側にさまざまの店がならび、福岡市で言えば中央区の柳橋連合市場を連想させる。庶民価格の衣類・雑貨店・金物店・床屋などがずらり並ぶ。ひとごみの熱気は万博会場と変わりないほどだが、それでも「少ないほう」だという。
食料品はひとつの建物内にまとめてある。まず目に付いたのが米屋さん。量り売りで8種類が売られているがその中に「秋田小町」としっかり書かれるものがあった。1kg5元(約70円)という安さは何を意味するのか。卵の種類の多さにも驚かされる。日本で卵といえばまず鶏だが、アヒル・ウズラ・鳩など色や大きさがさまざまなものが並んでいる。どのような使い分けをするのか想像しにくいが、「アヒルのほうが元気になる」とのこと。鮮魚は海水魚もあるが淡水魚が豊富で生きたまま生簀などに入れられている。鳥肉は極めて新鮮だ。ガラス越しに生きた鶏が闊歩しており、顧客は気に入ったものをその場でさばいてもらう。日本では珍しいが鳩も生きたまま売られており、食の奥深さと商魂たくましさを同時に痛感させられた。
▼上海市閔行区(ミンハンク)にある「華軽綜合市場」
▼米の量り売りコーナーでみた秋田小町(中央部右)
▼乾麺売り場にはさまざまな麺類が置いてある
▼大小さまざまな卵も種類別の単価で量り売り
▼生簀の鮮魚はその場でさばかれている
▼籠のなかの鳩、品質は極めて新鮮だ
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