詐欺・収賄事件を引き起こした福岡市のロボット体験施設「ロボスクエア」。2008年の同施設移転時、「電通九州」が契約書なしで1億円を超える移転関連業務を受注していたことが明らかになっていたが、ロボスクエア運営委員会と「電通九州」との間では、他にも不適切な契約が横行していた。
ロボスクエア側が電通九州と「口頭」で交わしたとされる6件の契約は次の通りだ。
○「ロボスクエア 移転に伴う内装移転工事」(2007年4月2日)
117,814,783円(内、未払い分3,386万1783円)
○「ロボスクエア2008スプリング ロボットドリームチャレンジ
チラシ制作業務委託」(2008年1月21日)
143万1150円
○「リスティング広告」(2007年6月21日)
90万336円
○「新ロボスクエアオープニングセレモニー運営業務委託」(2007年6月25日)
63万7,017円
○「ロボット大図鑑作成に関わる業務委託」(2007年6月22日)
377万9,475円
○「ロボスクエア移転に伴うホームページの改訂・サーバー導入等委託」
(2007年6月4日)
260万4,000円
※カッコ内は口頭で契約したとされる日。金額は電通九州に対し支払われたもの。
ロボスクエア運営委員会は、07年4月から08年1月までに、ロボスクエア側と電通九州との間に、「口頭」での契約が交わされていたとして、08年5月28日、6件分4,321万3,761円を電通九州に対し支払っていた。
ロボスクエアを巡る事件で、逮捕・起訴された元市職員・新川信一被告が懲戒処分された際、当時の担当者が、電通九州から「工事が終わっているのに支払がなされていない」との連絡を受け、電通九州と新川被告に対し、いつごろ、どういった経緯で契約されたものかを聞きとり調査。電通九州からの工事費用請求に関する文書をもとに支払いに至ったとされる。
「口頭」という、極めて曖昧な契約実態であったにもかかわらず、どのように金額を積み上げ、合計7,300万円もの公金を支出することができたのか。大きな疑問が残る。支出の根拠を証明する公文書も残されず、闇となった部分について、当時の担当者に話を聞くことになった。
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