９日、国土交通省は、吉田建材(株)が住友大阪セメント(株)のセメントを使用し製造した高強度コンリートについて６月30日、大臣認定仕様に適合しないコンクリートが使用されている可能性があるとの通報があったことを公表した。さらに同省の調査で、建築基準法第37条に基づく建築材料の大臣認定を受けた高強度コンクリートについて、このコンクリートを使用した建築物に大臣認定の仕様に適合しないコンクリートが使用されているおそれのあることが判明した。
　この度の不適合は、大臣認定を受けた高強度コンクリートについて、大臣認定で定められた水和熱の品質基準（383J/g以下）を満たさない普通ポルトランドセメントが使用されているとの事由である。
　今回のコンクリートが使用されたおそれのある物件は、現在調査中であるがすでに４件判明している。
　強度その他の性能には支障がないとの所見が得られたものの、建築物の基礎であるコンクリートの品質を守ることの重要性について、関係者は理解しているはずである。何度も申しているが、最低限の規定を遵守すべきではないだろうか。

【河原　清明】

*記事へのご意見はこちら

※記事へのご意見はこちら