<政治改革を死ぬまでやり抜く>
エヌビーエス株式会社(本社・福岡市博多区)の代表取締役、石橋一海氏は69歳である。中小企業の経営者であるとともに「みんなの党」福岡本部のトップ(厳密に言うと、福岡広域第1支部長)の顔も持っている。11日、参議院選挙の投票が行われている昼2時頃、電話をかけ、「石橋さん! お年寄りは選挙の激務で疲労困憊でしょう」と茶化した。「馬鹿なことを言わないでください」という声には疲れは微塵も感じられない。精気溢れているのだ。
電話の内容は次のとおりである。11日夜に福岡県の投票結果が確定する。早速12日夜にみんなの党の若手(次の国政選挙、統一地方選挙などに立とうとする人材)と選挙分析をする。そこで具体的な戦略方針を決定するそうだ。石橋氏に言わせると、「戦いは開始されたばかり。中小企業の厳しい経営環境を和らげるための政治改革の第一歩を踏みだしたばかりなのだ」。永続改革を一生かけてやり抜く決意なのだ。人生の終盤に差しかかってきて、ここまで自分のミッションを貫くとは見事、天晴れである!
<油断すればゴール手前で沈没>
ライオンズクラブの先輩たちのビジネス・ゴールも様々だ。80歳を過ぎた経営者は事業を無事に息子へバトンタッチした。悠々自適である。「元気なのはあと5年だろう。好きなことをさせてもらう」と趣味に残り時間を費やしている。こういう例は恵まれているケースだ。ところが業績不振でクラブ会費も払えず脱会するメンバーもいる。老後の生活もままならないだろう。
サラリーマンは60歳に到達すれば自分の人生の終点への設計を完了する。健康さえ持続すれば安心の老後が迎えられるだろう。だが事業主の60歳は平坦ではない。筆者と同年の経営者は20年の経営歴だ。最後のビジネス人生を成功裡に納めようとして躓(つまず)いた。長年、相棒役でサポートしてくれた幹部も退社した。もう一度、一から事業を組直す運命にある。
ネット通販事業に挑戦している友人は取引先とのトラブルに巻き込まれて一敗地塗れた。しかし、挫けていない。「コダマ! ネット通販のビジネスの仕組みは誤りでない。日本人に適応できる、好かれるシステムだ。次回のサッカーW杯までには再生する」と意気軒昂である。相手の気迫に押されて「俺もネットIBの情報発信ビジネスで大成するぞ」と大見えを切ってしまった。
本当にビジネス人生をつつがなく終了するとなれば第一に経営気力の充実が必要だ。次には『激変時代に対応できるビジネスモデルの構築・維持』が求められる。激変時代の昨今はああ無情。貴方のビジネス人生の結末が『悲喜交々』
の『喜』でありたいならば冒頭の石橋氏の爪の垢を煎じて飲むことだ。
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