大手ゼネコンの業界団体である日建連、土工協、建築業協会3団体の統合が発表されたことは記憶に新しい。こうした流れは大手ゼネコンに限らず、地方の建設業でも進んでいるようだ。
建設業の業界団体は、市場規模の大きさと業者数の多さから乱立した時期があった。福岡でもかつては、数多くの建設業団体が存在し、それぞれの事業展開の強化を図っていた。建設業の業界団体の場合、受注調整機能的な側面が強く、かつては談合の温床と言われたこともある。現在でも、過去のイメージからネガティブな報じ方をされることも多い。
だが、現在の公共工事の予定価格はここ10年間で大きく低下しており、もはや業界団体に受注調整機能はないと言っていい。必要とされるのは、業界健全化、活性化のための業界団体だ。そうした意味でも、建設業の業界団体が集約されていくことは必要だろう。団体が乱立している状況では、一枚岩の交渉ができないからだ。
現在、建設業界は未曾有の不況を迎えている。民需、官需ともピーク時の半分程度にまで縮小するなかで、業者は必死に生き残りを図っている。市場規模が半減しているにもかかわらず、業者数は15%程度、就業者数は25%程度しか減少していないため、完全に需給バランスが崩れている。建設業の利益率は全産業の半分程度にまで落ち込んでおり、業績を維持するのも困難な状況だ。こうした状況を打開するためにも、業界団体に求められる役割は、今後さらに大きくなっていくだろう。
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