なぜ福岡市役所前の広場に人工芝が敷設されたのか。経緯を追求するなか、当時の市環境局温暖化対策課長だった安部修氏(現・教育委員会生涯学習課長)は、「環境局に聞いてくれ」と説明責任を放棄しようとする。
《前任者でないとわからない》とする市環境局の回答を伝えると、「なにがですか。説明はしています。もうそれでいいじゃないですか。間違いないですよ」。説明だけで数千万円の予算がすんなり通るとは思えない。もちろん、「もうそれでいいじゃないですか」では説明責任を果たしたことにはならない。
それでは、阿部課長が人工芝に決めたということでいいかと確認すると「最終的には比較検討して決めましたよね。これでいくべきじゃないかという案は出してました」。肝心の部分はぼかしてしまおうということらしいが、安部課長の「これでいくべきじゃないかという案」こそが「決済を求める文書」であり、それが公文書として残っていないから問題なのだ。
なんとか答えてもらおうと、方向を変えて、ヒートアイランド対策について質問したところ、阿部課長は再び逆切れしてしまった。「ヒートアイランド対策の原因、あなた知ってます?説明、あなた少し言ってご覧なさい」。このあと、「ヒートアイランド対策の原因の中には、例えばですね、自動車の排気ガスとか」から始まって、延々とご説明が続いた。『ヒートアイランド対策の原因』とは、また変わった日本語である。
話を戻すため、平成20年の「市役所西側ふれあい広場 ヒートアイランド対策実証実験」の仕様書を提示した。
「モンド社の。はいはいはい。これはですねえ、そもそも、たぶんもう裏とって知ってらっしゃると思いますけど、あの、これ福岡大学のサッカーグラウンドで使われてるんですよ」。
安部課長は、やっと保水性人工芝「モンドターフ」との関わりを話し始めた。
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