福岡ライオンズクラブ(福岡LC)は、九州初のライオンズクラブとして1955年9月に設立された。2005年に50周年を迎え、さらなる社会貢献にまい進している。今年、福岡LCでは女性初となる会長に就任した関戸秀子氏に、その意気込みと今後の方針について話を聞いた。
<伝統ある福岡LCの女性会員第一号として>
―関戸さんが、福岡ライオンズクラブに入会された経緯を教えてください。
関戸 私が福岡LCに入会したのは、2002年です。それまで保険業界で20年のキャリアを重ねていた私は、MDRT(生命保険・金融サービスプロフェッショナルの世界組織)に入会したのを機に、ホテルでパーティーを開催しました。そこで福岡LCの真田彬さんに入会を勧められたのが縁です。「今後は、女性にもどんどん活躍してもらいたい」ということでしたが、私は同会の女性会員第一号でした。
―男性経営者ばかりの組織で、苦労されたことも多かったのでは。
関戸 福岡LCは県内で最も古い1955年創立で、それはもう歴史と伝統のある会です。山笠じゃないですけれども、85~86歳の先輩を筆頭に立派なタテ社会で成り立っていました。
入会した頃、世間では男女共同参画という言葉が出始めていましたが、私自身は、勧めていただいた方に迷惑がかからないよう、「女性が入って悪くなった」と言われないよう努力するほかないと思っていました。最初の1、2年は組織のなかで覚えなければならないこと、学ぶべきことも多かったですね。
実際の活動のなかで最も勉強になったことは、奉仕の精神をしっかり貫くということ。会のなかでは、誰も自分の仕事や商売のことなど表に出しません。純粋に奉仕という世界で活動することを学びました。
それからもうひとつは、目上の方への礼儀を含めた組織のあり方ですね。これは長い伝統が引き継いできたものもあり、私にとっては良い経験になりました。
福岡LCでは、盲導犬の育成・普及のために寄付したり、少年少女ら次世代の育成のための支援などを積極的に行なったりしています。これは私自身にとっても、大切な生きがいのような活動になりつつあります。
6年間、女性は私だけでしたが、現在は会員40人のうち私を入れて4人の女性が在籍しています。30代から60代まで頼もしい人材が入ってくれました。
その後、私自身は、幹事や会計も務めさせていただくことになりました。正直、荷が重いと感じないわけではなかったのですが、ここで私が引き受けないと後輩に道をつけてあげられないですから、とにかく正面から真摯に、意欲を持って取り組みました。その延長線上に、会長職があったのだと思います。
【豊浦 美紀】
<プロフィール>
関戸 秀子(せきと ひでこ)
1981年、第一生命保険入社、97年退社。2000年、明治安田生命に入社し、06年マニュライフ生命に入社。この間、02年に女性会員第一号として福岡LC入会。10年、福岡LC会長に就任。
●ライオンズクラブとは...
1917年創設の世界最大の社会奉仕団体で、206カ国135万人が所属。国内では52年東京で最初にクラブが結成され、現在は合計3,314クラブ、会員数は約10万9,526人(2010年5月末現在)。「We Serve(我々は奉仕する)」をモットーに慈善活動などに参加している。
壱岐・対馬を含む福岡県が所属する地区は、正式名称で「ライオンズクラブ国際協会337-A地区」と呼ばれ、117クラブ、会員数は4,597人(2010年5月末現在)。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら