長期金利の急低下が、金融機関の収益・資金運用のリスク要因になってきている。急低下の背景には、貸出低迷や株価下落による資金運用難で大手行などの国債運用が大幅に増えたことなどによって国債の買い安心感が広がったことなどがある。
長期金利指標の新発10年物国債流通利回りは、7月1日に前日比0.02%低下(価格は上昇)の1.065%をつけ、2003年7月以来の7年ぶりの低水準になった。
国債価格が上昇すると売却益が増え、短期的には収益にプラスに働くが、金利が反転上昇した場合は逆に大きな打撃を受ける。先行きの景気・金利見通しは不透明感が広がっており、売り時に細心の注意が必要な情勢である。
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