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利用価値を見出せないコムシティの現状
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2010年7月14日 13:45

 JR鹿児島本線黒崎駅に隣接する複合商業施設コムシティ(COM CITY)は、2001年11月に黒崎地区再開発事業の中核となる複合商業施設として華々しく開業した。沈んでいる黒崎地区の活性化を期待されてのスタートだった。当初は、1階~6階に第3セクター「黒崎ターミナルビル」が運営する小売店や飲食店などの商業施設、7階に北九州市の施設「子どもの館」、9階~12階にホテルが入居していた。
 しかし、近停滞していた黒崎地区の起爆剤にはなりえなかった。03年6月に黒崎ターミナルビルが約130億円の負債を抱えて自己破産となり、1階~6階の商業施設部分はほとんどが閉鎖された。
 その後、黒崎ターミナルビルが所有していた商業施設部分は07年に(株)沖創建設(本社:沖縄県那覇市)に売却された。09年1月には中核テナントとして富士通コミュニケーションサービスのコールセンター入居が内定し、09年秋ごろに商業施設として再開業する予定だった。ところがコムシティの運営提携先であったユニディオ・コーポレーションが事業縮小したことなどから計画は白紙に。その結果、コールセンターは同年6月開業予定だったが、商業施設テナントが決まらなかったため、同年9月の全館開業も出来なくなった。そして、一部開業では沖創建設の維持管理費など経費負担が大きく、コールセンターに関する契約を解消している。
 その結果、富士通コミュニケーションサービスは、代替物件として隣接する黒崎メイトビル内に入居しているが、コムシティの状態は変わらずゴーストタウン化している。
 ある不動産関係者は「コムシティというより、黒崎地区をどうするのかを含めて取り組まないと、あのビルはどうしようもないでしょう。現状では5億円でも買いたくありません。テナントも来ないでしょうし、よほどの企画実行案が無いと難しいでしょうね」と語る。それほど、現状では存在価値を見出せない。

【石崎】

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