<チリ大地震で感じた継手の重要性>
先日、チリで大地震が発生し、甚大な被害がでました。テレビ報道を見ると、倒壊したビルの間から折れた鉄筋がむき出しになっていました。構造物の強度を支えるための鉄筋は、折れたり切断されたりしてはならないものです。しかし予想以上の大きな地震は鉄筋の継手部分さえ切断してしまいます。もう少ししっかりした継手であったら...、と考えると胸が痛くなりました。
私たちは、この鉄筋をつなぐ継手という分野で建築に携わっております。鉄は端面をきれいに磨き密着させガスのバーナーで真空状態を作り加熱し、軸方向に圧力を加えると一体化します。これが圧接です。私どもはレールや鉄筋など沢山の継手を施工しますが、この圧接が継手のなかでは一番信頼できる継手となっております。
その性質を利用して、圧接はビルの鉄筋や鉄道のレールなど多くの場面で活躍しています。目に触れない部分ではありますが、継手は構造物の強度に深く関わっているのです。建物の強度を保つために使われる鉄筋は施工上、長い物でも7m程度であるため多くの継手が使われます。この継手がしっかりと接合されていないと、本来の強度は発揮されません。先般の震災で切断された部分もこの継手が問題ではないかと不安になります。
昨今、耐震性や安全性向上のため、高強度の鉄筋が多く採用されます。高層建築物はほとんどが高強度鉄筋です。通常の鉄筋であれば圧接や溶接で接合が可能ですが、高炭素の高強度鉄筋では技術上不安が残ります。現状ではネジやスリーブなどの機械式継手が採用されていますが、厳密に言うと鉄筋同士が一体化しておらず、検査の信頼性に欠けるなど、万が一の事態が起きた際に不安を残しています。
<安心と快適の追求が至上命題>
このたび弊社では高強度鉄筋専用継手(3CW)という新たな技術を開発しました。高強度鉄筋の端に溶接性の良い太い丸鋼を工場にて摩擦圧接でつなげ、その丸鋼同士を現場で溶接してつなぐという方法です。溶接性のよい丸鋼を使用しますので比較的容易に現場での接合ができ品質向上が期待できます。また丸鋼の太さで強度を保障できる特性があり、丸鋼部分全周で非破壊検査が可能なため、製品検査の信頼が格段に上がるというメリットもあります。施工者もお客様も最終ユーザーの居住者様にも安心・安全をお届けできる継手です。これからはマンションやオフィスビルの高層化が加速すると考えられます。建築物を造る際には安全確保が第一です。生活空間の利便性の向上と安全保障が、私たちの使命だと考えております。
4月より「AQTIS(アクティス)」へ社名変更いたしました。絶対(Absolutely)、品質(Quality)、技術(Technology)、情報(Information)、技能(Skill)の頭文字をとったものです。弊社が掲げる絶対品質という言葉は、常に最高の技術を追求し、妥協を許さないという覚悟に由来します。他社に比べて絶対的な価値観に立って品質を向上させ続けるのです。3CWも、その理念を表した製品のひとつ。安心と快適の追求が私たちに課せられた至上命題です。そのことを常に胸に抱き、よりよい街づくりに貢献したいと思っております。
<プロフィール>
河村 貴夫(かわむら たかお)
1961年5月生まれ。福岡大学卒業後に入社。01年、代表取締役社長に就任。趣味は音楽。
<会社概要>
(株)アクティス(旧(株)九州三協)
代表者:河村 貴夫
所在地:大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月1日
資本金:1,000万円
TEL:092-501-5963
URL:http://www.aqtis.biz/
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