11月に行われる福岡市長選挙を巡り、情勢が大きく動き出した。
<民主>
現職の吉田宏市長は20日、定例会見で事実上の出馬宣言。再選出馬への意思確認の場となる民主党市議団との会合に出席することを明言した。今週中に予定される同会合では、吉田市長支援を決めた民主市議団の前で出馬の意思を示し、同党への推薦願を提出するものと見られる。
一方、元佐賀市長で行政刷新会議の事業仕分け人・木下敏之氏は同日、民主党県連に推薦願を提出。態度表明を遅らせてきた吉田市長の機先を制した形となった。
民主党内では選挙戦突入を前に、吉田VS木下の推薦争いとなったが、度重なる公約違反で不人気の吉田市長を同党市議団が支える構図に首をひねる向きも少なくない。来年の統一地方選を控え、選挙基盤の弱い1回生議員が苦戦を強いられることは必至。吉田市長支持を鮮明にすることがプラスになるとは考えにくく、市議団内部にも温度差が生じているといわれる。しかし、市議団と木下氏の縁は薄く、簡単に木下氏を受け入れることはできなかったようだ。
どちらが推薦候補に選ばれるのかわからない状況だが、まずは来月の県連常任幹事会で吉田市長の推薦願について検討が始まる。
<自民・公明>
野党・自民党の候補擁立への動きも加速しているとされるが、具体的な名前は一切漏れてこない。次に名前が出る人間こそ「本命」であることは間違いない。公明は自民との共闘を図る構えで、候補者が決まれば、選挙戦のひとつの軸になる。
<その他の動き>
元市教育長・植木とみ子氏は、元市長・山崎広太郎氏の支援を受けているとされ、活発に動いている。保守系会派の支援に期待しているともいわれるが、立候補への意思は固そうだ。
ここにきて現職県議の出馬への動きに注目が集まっている。みんなの党との関係が深く、同党の推薦を得て出馬するとの観測が広がっているが、踏み切れば一定の支持を獲得することが予想される。
この他、共産党も候補者を擁立する。
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