マンション管理士シリーズ 6
普通のマンションでは管理組合役員になることは誰でもいやがることだ。もちろん総会で承認を得ることが前提となるが、自分がオーナーなのだから、本来は好きな事ができて当たり前なのに、なぜか誰もやろうとしない。その一番の原因は多くのマンションが採用している1年任期の輪番制にある。自分が新任役員になったときには、事業計画や予算案は前任者が作成済みで、それを実行することだけが義務づけられる。これでは「やらされ感」ばかりが強くて、やる気も起きないのが普通だろう。本来人間は自分でやろうと決めたことは全力を尽くしてやるものだし、そのことによって得られる達成感は何事にも代えがたい。そのためには少なくとも役員の任期は2年以上にして、最初の1年間は先輩役員に色々と教えてもらいながら経験を積み、次期の事業計画と予算案を策定し、2年目にそれを実現するという方法もあるだろう。あるいはわざわざ1年も待たなくても、理事会の自由裁量で使途を決められる予備費を定めておいたり、臨時総会を開けばよいだけの話である。管理組合活動の楽しさを演出して、理事会そのものがエンターテイメントの場になるように持っていけたら、それだけでも住人の生活の質の向上に大きく貢献できるようになる。
【神田 将秀】
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