3月29日に掲載された[ビタミンのはなし(9)~ビオチンと掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症や糖尿病]に寄せられたご意見を紹介します。
○ビオチン大量療法の根拠・弊社の記事構成へのご意見
前橋医師がビオチン欠乏症をひとつの原因と提唱したことは、実際に現場で行き詰っている治療にひとつの道を示したことは大いに評価される。
しかし、扁桃摘出をすれば治る。歯科金属をすべて変えれば治るという指導により、実際に数百万円の大金を支払った者の、全く改善が認められず途方にくれている多くの患者が実在する。それと同様に、ビオチン大量療法を開始してなかなか治らず、何年もはるばる秋田まで通った患者に対して不快感を示し、挙句には、自分の治療法が100%であるのだから治らないのはお前のせいだと患者に言い渡すことがあると、私が診ている患者から話を聞くことがしばしばある。
治らない患者を診ないのであれば、治癒率が上がるのはあたりまえである。ひとつの可能性として治療を行なうのは素晴らしいと思うが、切り捨てられた患者はいったいどうなるのか、医療陣として再興してもらいたいと思う。
実際に彼が発表した学術論文で英文、和文問わず明らかに掌蹠膿疱症がビオチン欠乏で表現されたという論文を見つけることが出来ない。糖尿病の実験中にビオチン欠乏ラットに症状があったと著書にコメントはあるが、ラットの手掌足底にそのような皮疹がでたという記載はなく、科学的根拠に乏しいことは知られている。
マスコミも、きちんと科学的学術的根拠を提示して一般市民に啓蒙しないで、話題性だけで記事を掲載することによって、先に書いたような気の毒な犠牲者を増やすことに加担することになる。本来の国民の利益を損ねる可能性があることをもう一度考えてもらいたい。
貴重なご意見ありがとうございました。
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