「2005年に発覚した石原産業のフェロシルト問題以降、同社に対し行政側の厳しい措置やフェロシルトの処理および清掃に関する法律違反で司法より罰金刑を受けている。その後、全量撤去と最終処分がいつ完了するかも明確ではない。何度も言うが、有害物質が含まれ健康被害を受ける可能性が高いフェロシルトを誰が好き好んで受け入れるか。石原産業は回収したフェロシルトを四日市工場で処理しきれず仮置きになっているとも聞く。それも大問題だが、安全とは言い難いフェロシルトを搬入させてしまった行政側の責任は重い。石原産業が過去起こしてきた公害問題を含めた様々な事件が公になっている。そのような企業から運び込まれる物体を、いとも簡単にこの福岡の地に入れてしまった。行政は、環境基準を盾に責任逃れするであろうが、そんな姿勢で地域住民を守れるのか? 地域の環境を守れるのか? 子供でも分かることだ。誰に聞いてもおかしいと思う」と地元業界関係者は強く憤る。
「産廃物として環境基準をクリアしていれば行政側は、業者に対して搬入を止めろとは言えない。強制的に阻止する執行力もない。業者間の商売の話に口は出せない」とは、福岡市側のコメントである。このフェロシルトに関して危機感を持っているとは到底思えない。
どのような検査をして、何がどのような事で安全であるかは本当のところは分からない。よって安全とは言い難いフェロシルトを入れること自体、福岡市の姿勢は間違っているのではないか。たとえ法律面でクリアしても、本当にそれで良いのだろうか。過去、四日市ぜんそくという、我が国の公害をもたらした1社である石原産業――。このフェロシルトが運び込まれ、「安全だから大丈夫」と安閑としていると、公害が福岡・糸島半島で発生してしまう可能性をはらんでいる。
行政側は、型どおりのお役所仕事でなく、地域住民・環境を守るために厳正なる対処・調査を実施する必要があるのではないかフェロシルトに対して、真摯に対応することを行政側は迫られている。
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