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【トップインタビュー】クオンタムリープ代表 出井伸之氏(1)~オーバーな自信喪失
直撃インタビュー
2010年7月26日 08:00

私は感じている。日本・九州の大転換をしなきゃいけない、と。

クオンタムリープ 代表 出井伸之 氏 日本が誇る企業の1社であるソニーグループの元CEOとして、日本経済の歴史と共に人生を歩んできたクオンタムリープ代表取締役の出井伸之氏。数々の「迷いと決断」のなかで培われた知識と経験は、日本の将来についての指針となるだろう。しかも、九州に対してかなりの思い入れがあるようだ。そんな出井氏に、日本そして九州の未来について語っていただいた。―(6/10取材)

 ―経済学者の野口悠紀雄さんは「日本経済は廃墟にならなければ立ち直らない」とおっしゃっていましたが、出井さんは日本経済の現状をどのようにご覧になっていますか。

 出井 日本経済は大きく見ると、成長期が過ぎて、成熟期に入っています。戦後の一本調子の成長というのが終わったのですが、日本はそこで大きな成果を残し、強大な自信をつけ、世界のなかで必要以上に持ち上げられました。そんな状態になって、資産バブルが引き起こされたわけです。

 成長期で成功した人というのは、自信過剰になり、物事が今までどおりに進まなくなると、自信喪失に陥るものです。自信過剰だった分、過度に自信喪失してしまったのではないでしょうか。かつての80年代の好景気は幻で、今もひどく落ち込むほどではないのかもしれませんが、世界のほかの国々と比べても、社会の安定だとか20世紀のインフラだとか、そういうのを作ってきたということに関しては、タイミング的にも、日本は素晴らしい発展を遂げたと思います。

 中国は今ようやくその段階にきているわけですが、なぜ日本は数十年も早くできたのか。現代の奇跡みたいな国に我々はいるわけですよね。その奇跡が終わって、さあ次はどうしようかというところに来ているだけの話で、あまり悲観的になることはありません。何か自分だけが取り残されているような、そんな風には思わなくていいと思います。

(つづく)

【大根田康介】

<プロフィール>
出井 伸之(いでい のぶゆき)出井 伸之(いでい のぶゆき)
1937(昭和12)年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。60年にソニー入社。95年に社長就任。99年よりCEO(最高経営責任者)を兼務。2000年、会長兼CEO。05年に退任。06年、クオンタムリープ株式会社を設立し、代表取締役に就任。産業の活性化や新ビジネス・産業創出を実現するための活動をグローバルに展開している。他にアクセンチュア、百度(Baidu)、フリービットの社外取締役、美しい森林づくり全国推進会議の代表などを務める。著書に『迷いと決断―ソニーと格闘した10年の記録』(新潮社、2006年12月)、『日本進化論―二〇二〇年に向けて』(幻冬舎 、2007年7月)、『日本大転換―あなたから変わるこれからの10年』(幻冬舎 、2009年9月)などがある。

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