26日、福岡市長・吉田宏氏が民主党に推薦願を提出した。先に推薦願を提出した元佐賀市長の木下敏之氏とどちらが推薦を勝ち取るかで注目を集めているのは既報の通りである。
　今後、民主党で本格的な検討が行なわれるとされているが、「この勝負、どっちに転んでもおかしくないほど、両者の可能性は五分五分だ」と同党関係者は語る。

　民主党内の議論が紛糾する理由について、吉田氏のほうから解説していこう。そもそも、吉田氏自身が当初、北九州市長を目指していたという経緯がある。同市長選で民主党が推薦したのは現市長の北橋氏。吉田氏は押し出されるかたちで福岡市長選に出馬した。そのことで当時の民主党市議団はかなり反対したという。市長就任後は、子ども病院の移転をはじめとする数々の公約違反という"実績"を作った。市民の見る目も変わっている。さらには、民主党福岡県連幹部との不仲も噂されている。
　「かなり前から党県連と福岡市の関係を良好に保てる人物を次期福岡市長に、という声があがっていた」（民主党県議）。

　ただし、対抗馬の木下氏のほうにも民主党にとって引っかかる点があるという。それは、木下氏が再選を目指した2005年10月の佐賀市長選挙に落選した際、木下市政を急進的ととらえた民主党の支持基盤である労組が、不支持に回ったということだ。つまり、党が選挙で木下氏を応援しても、支持者が付いてくるかどうかという不安があるという。

　推薦の行方をめぐり、民主党関係者の悩みはしばらく続きそうだ。

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