26日、福岡市長・吉田宏氏は、次の市長選に立候補する意思を表明した記者会見上で、現在抱いている市政のビジョンについて語った。内容は以下の通り。
○都心部の再生
交通機能を含めた都心部の再生は待ったなしの状況。博多駅周辺と天神との結び方、それは博多湾のほうも含めて、ぐるっと建設するというようなことも考えられると思う。新たな交通機関を工夫するということもある。そういう交通機能も含めた都心の再生ということに取り組んでいきたい。
これまで都心のビルが今かなり古くなってきている。新たな制度を考えて、建て替え易いようにしていくと思うが、そういう制度も含めて、都心をもう1度力強く発展をする基盤を作っていくことが必要。
○歴史を生かしたまちづくり
福岡も観光都市としての性格が重要になってきている。これまでの商業都市に加え、都心そのものを魅力のあるエリアにしていくことで、多くの人が内外から集まってくる。特に最近では、クルーズ船が上海からたくさん来ている。福岡に下りてより長く滞在していただくことも必要。何より福岡で知的なスポットがあまり開発されずにいた歴史的遺産を生かして観光面を含んだ集客を図りたい。
今年行なわれた「さくらまつり」では、福岡城址が持っている力が、私たちが思っている以上に大きなパワーがあることを感じた。予測を超える人数が、「さくらまつり」に訪れた。これは都心再生のもうひとつ大きなキーワードになると確信している。
○教育再生
教育面では、私はさまざまな改革をしてきているが、福岡は不登校、ひきこもりの数が減ってきている現状にある。それから暴力行為が学校現場で少なくなってきている。つまり、学校現場もかなり現在は落ち着きを取り戻してきている。これをさらに進めて教育再生に本格的に取り組んでいく必要がある。そのためにはより多くの現場との対話も必要になる。何より先生たちが教える環境を一段と整備していく、子供としっかり向き合える環境を私どもが作っていくことがこれから先、たいへん必要であり、取り組んでいきたい。
○子育て(待機児童の解消)
子育て全般につながるが、待機児童の解消については、今までよりもさらにペースを上げて、機能の整備をやっていきたい。具体的には現在立てている計画があるが、4年間で2,200人ということであるが、現状、そのペースでは追いつかないところもある。その枠そのものは維持しながら、実現のスピードを速めていきたい。その後、まだまだ足りないというところもあるかもしれない。その時はまた新たな計画を立てていきたい。現在はスピードを上げていくことを考えたい。
○ときめきシティ
世代や障害を超え、みんなが元気に働いていける、そして、思いやりを持ってこの街で暮らしていける。そういうまちづくりを目指していきたい。今、「ときめきシティ」という言葉も使わせてもらっているが、みなさんが相手に対するそれぞれの思いやりを持って、「ときめき」を感じながら生きていける、そういう街を目指していきたい。
吉田市長のコメントから浮かび上がるキーワードは「再生」。福岡市の都心部、教育、歴史的遺産の活用など。待機児童の解消においても、現在進行中の計画を促進させるという意味では、今あるものをさらに進め、福岡市のさらなる発展の基盤を作るということにつなげていく考えであることが汲み取れる。
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