宮崎県建設業協会 会長 永野 征四郎 氏
口蹄疫にゆれる宮崎県。未曾有の危機に際して建設業界は埋却作業の最前線に立ち、一日も早い復興のために汗を流している。(社)宮崎県建設業協会の永野征四郎会長に宮崎県の情勢、建設業界の状況を聞いた。
<口蹄疫収束に貢献>
――4月の口蹄疫発生確認以来、いまだに宮崎県では、その対応に追われています。地域の建設業者も事態の収束にむけて協力していると聞きました。
永野 発生が確認された4月20日、私たちは高鍋地区向けに20台のパワーショベルを準備しました。県の非常事態ですから、できる限りのことはさせていただいております。初動が早かったことで、えびの地区では処理頭数も少なく収まり、6月4日には規制解除されるに至りました。建設重機のオペレーターたちが埋却作業の最前線に立って難しい仕事をやってくれたおかげだと、地域の方から感謝されました。
――高鍋地区、えびの地区以外でも活躍されていると聞きます。
永野 殺処分は家畜を薬殺した後に埋却する作業があります。埋却には穴が必要ですし、家畜の運搬にはトラックが必要になります。これら機材の扱いは建設業者が第一人者ですので、私たちがフロントに立たなくてはならないのです。建設業界からは、5月末の段階でのべ1,600名を超えるオペレーターが作業に当たっております。
――自衛隊が活躍している映像は見るのですが、建設業者が活躍していることは報道されませんね。
永野 地元の新聞社に「なぜ建設業者の貢献を報道しないのか」と聞いたところ「建設業者は公共事業で儲けているのだから作業をするのは当たり前ではないかというイメージがあるためだ」、との答えでした。移動制限があるので1カ月以上も同じ場所で過酷な埋却作業に従事しているのです。それにもかかわらず、建設の「け」の字も報道されないのは残念に思います。今も額に汗して作業にあたっているのに、テレビに映される映像は2台だけ来た自衛隊の機械や消毒作業の様子ばかりです。いたたまれなく感じます。
――報道の姿勢というのもマスコミには考えてもらわないといけないですね。
【文責・柳 茂嘉】
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