24日、香椎幼稚園の教職員で結成された、UIゼンセン同盟香椎幼稚園ユニオンと、同幼稚園を運営する学校法人 筑紫海学園との間で初の団体交渉が開かれた。
同組合の結成は、教職員および保護者らが作成した同幼稚園維持存続のための移転計画案に法人理事会が全く目を通さなかったことに端を発している。今回の交渉により、法人理事会は移転計画案を受け取り、疑問点や意見を検討して文書にて回答することを約束した。次回の団体交渉は8月28日に開かれる予定だ。
その一方で、大きく問題視されているのは、同幼稚園の"移転費用"として、原資が税金である県や市からの助成金および保護者の納入金から経営をやりくりすることで長年に渡り積み立てられた約2億2千万円の行方である。既報の通り、幼稚園が閉園し、法人が解散した場合、残余財産として公立大学法人 福岡女子大学(以下、福岡女子大)へ移管(寄付)されることとなっている。
この問題について、同幼稚園の保護者および教職員は、24日に福岡女子大理事長兼学長の高木誠氏に対して質問状を送った。主な内容は「学校法人 筑紫海学園が解散した場合、その残余財産の全部または一部を受け取るつもりがあるか?」である。そして、その回答期限は8月2日としているという。
香椎幼稚園は、半世紀以上に渡り地域の幼児教育に貢献してきた。もっとも同幼稚園を設立したのは福岡女子大の同窓生であり、同大学が社会貢献という大義を果たしてきたと言っても過言ではない。それらの経緯を踏まえ、高木氏がどのようなリアクションをとるのか、注目されるところである。
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