論点整理とりまとめへ
消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」(座長:田中平三・神奈川工科大学教授)の最後の会合が28日、東京・三田の三田共用会議所で開催され、「特定保健用食品(トクホ)の表示許可制度」と「健康食品の表示・広告規制」について論点整理(案)が示された。会合では、事務局から論点整理の取りまとめ案について説明が行われた後、各委員から最終的な意見や要望を聞き取る形で進められた。
特定保健用食品(トクホ)の表示許可制度については、(1)表示許可手続の透明化、(2)許可後に生じた新たな科学的知見の収集、(3)保健の機能を適切に伝える表示・広告方法――の3点が示された。
トクホ広告のガイドライン化に着手
この中、(1)の許可手続の透明化では、企業から提出してもらう試験のデザインやその適用条件については、消費者庁が発出する通知には大まかな枠組みしか示されていないため申請ごとにバラつきが生じている現状を踏まえ、欧米の指針等を参考に具体的な試験デザインを示すことを盛り込んだ。
また、(3)の表示・広告方法については、許可された表示内容を超えるような多様な表現方法を用いて機能性をアピールする例が、テレビCMや新聞広告に見られることから、トクホ広告に係るガイドラインの作成に着手するよう提言した。
次に健康食品の表示・広告規制については、(1)虚偽・誇大な表示・広告規制の効果的な執行、(2)関係部局・団体との連携促進、(3)一定の機能性表示を認める仕組みの研究――の3点が示された。
虚偽・誇大広告で事業者名の公表
広告規制の効果的な執行では、「虚偽・誇大な表示や広告を行う事業者に対しては厳正な対処を行う」とあった原案について、委員から「事業者名を公表すべきだ」とする意見が相次いだことから、「事業者名の公表を含めて厳正な対処を行う」との文言に変更された。
また、有効性表示を巡っては、一定レベルの科学的根拠が確認された成分を含む食品を識別しやすくするという観点から、国が何らかの関与をすることを前提に、一定の機能性表示を認める新たな制度設計の可能性があるのではないか、とする意見を重視。これを踏まえて、論点整理(案)では、「科学的根拠のレベルや機能性表示の類型、安全性を国が客観的に確認できる仕組みなど、新たな成分に係る保健機能表示を認める可能性があるかどうかについて、引き続き研究を進める」としている。
検討会では、各委員の意見・要望を反映した最終報告書を作成、8月中に消費者委員会へ提出するが、さらに検討が必要な制度的な課題については消費者委員会で議論してもらうという。
▼関連リンク
消費者庁
◆健康情報サイトはこちら >>
健康情報サイトでは健康・食に関する情報を一括閲覧できるようにしております。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら