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特別取材

健康生活とアスリート・ギフトの不思議な関係
特別取材
2010年7月29日 15:19

<過去の経緯>

 NET-IBで度々報じてきた健康食品通販会社(株)健康生活(熊本県甲佐町、代表取締役:小菅高雄)は、7月22日付で新潟の(株)アスリート・ギフト(新潟県上越市、代表取締役:藤田薫)に経営権を譲渡した。同社は22日以降も、ホームページを通じて営業を行なってきた。その後の動きを追ってみる。
 これまでの経緯を簡単に述べると、同社は6月28日付の自社ホームページ上で「解散」を宣言7月6日付ホームページ上で「営業権譲渡と発送再開のお知らせ」を行ない、同社とアスリート・ギフト社との間でおやき事業の営業権を譲渡することで基本合意に達した旨を告知、「定期プラン」の発送も同社から行なうことを明らかにした。ところが3日後の9日には一転して「販売再開」を告げた後に、15日の自社ホームページでは、22日をもってアスリート・ギフト社へ経営権を譲渡する旨の告知を行なっている。しかし、経営権譲渡の真偽に関して裏付けとなる正式なコメントはアスリート・ギフト社からは出されていない。健康生活社とアスリート社、少なくとも現場レベルでは、互いが互いを認め合っていないような不思議な関係のようだ。

<担当者不在の一点張り>

 経営権譲渡ならびにその経緯についてアスリート・ギフト社に問い合わせたところ、女性の声で「こちらではわからないので本社に聞いて欲しい」の一点張り。消費者からの問い合わせに関しても、本社へ電話をかけ直してもらっているということ。本社というのは、ギフト商品やNB商品の小売・卸などを業とする(株)モアエンタープライズで、JA全農指定業者として長野一円で営業活動を行なっている。代表は藤田薫という人物で、アスリート・ギフト社の代表者と同名だ。しかしこちらも、何度電話を入れても「担当者が不在」ということで経営権譲渡に関する説明は得られずじまいだった。もちろん健康生活社側も同様で、いつ電話をかけても本社(096-235-1155)は不在のようだ。

<個人情報は大丈夫か?>

 ここで問題となるのが個人情報の取り扱いだ。経営権の譲渡が正式に行なわれているとすれば、個人情報保護法第23条で禁じている第三者提供には当たらないものの、正式に行なわれていないとすれば同条に抵触することになる。また、顧客への説明はどのように行なわれているのか、確認を求めても常態的に責任者不在という体制では顧客も不安になるのではないか。電子掲示版サイト「2ちゃんねる」ではいろいろな書き込みもされている。
 きのう28日、健康生活の東京支店で「すべての顧客にご案内している最中」とのコメントを得た。案内の最中というのは、「まだ案内が終了していないということなのか」と切り返すと、「答える義務はない」と突き放された。また、新規の顧客に対して過去の経緯を説明しているのかとの問いにも、「答える義務はないと答えるようにと・・・」と語尾を濁した。どうやら横から誰かに指示を受けているらしい。「(やりとりを)そのまま記事にしてもかまわないか」と問うと、「心外です」と、これには意外にはっきりした口調だった。
 同社は昨年、『もちもちほっこりおやき』なる商品だけで250万食を売っている。主力商品『生サプリ』を含めて昨年6月期で12億円を売り上げたともいわれている。元社長やグループ会社に逮捕者まで出して、反省の色はまったく感じられない。過去のいきさつを知らず新たに同社の商品を購入している消費者が今もいるかもしれない。
 今後、同社の商品を製造している健食受託メーカーなどへの取材でその実体を明らかにしていきたい。

【田代】

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