住宅購入者の共通の特徴として、画一的なものを敬遠する傾向とライフスタイルを重視した自由な設計を望むケースが多い。また、素材にもこだわり、天然木や自然素材を好む人が多く、その要望に的確に応える術がなければ住宅業界での生き残りは難しい。顧客の一人ひとりが多くの情報を得られるため、納得する『家』づくりを希望するケースはますます増えている。仕事において妥協しない地元住宅会社が脚光を浴びることになる。
こうしたことから、建売が多い住宅団地や、自由な設計の幅が少なく増改築が簡単にできないプレハブ住宅などが敬遠される傾向にあり、建てた後でも増改築が比較的楽な在来工法による住宅に人気が集まっているようだ。さらに、木の住宅であっても、メンテナンス次第では50年・100年以上の寿命が十分可能であることや、自然素材を生かした家の良さが浸透したことから、素材や作りにこだわった住宅に注目が集まり人気となっている。
企業側にとって、地元に密着し、顧客と向き合い、要望を聞き取り、それを実現していくという手間ひまはかかるが、企業の姿勢により克服は可能。大手と比べて地元企業のほうが「親身に相談に乗ってくれる」という評価に繋がるのは言うまでもない。
福岡市でも有数の住宅地で建てたハウスメーカーが嫌われているという。このハウスメーカーは、20年ほど前からこの住宅地で住宅を販売し、福岡でも人気が高い。
そんな住宅も築20年近くを経過し、増改築やリフォームの声が上がり始めた。しかし、住宅所有者の大半が「この住宅業者には頼みたくない」と他社でのリフォームを考えているようだ。取材すると、所有者は「これまで何度も頼んだのに、なかなか返事が来ない。買ったときはよかったけど、その後は何もフォローしない。これでは頼みたくなくなる」と語る。
ある地方の住宅会社は「住宅購入時が付き合いの始まり。これから20年、30年と付き合うことになる」ため、定期的な検診のほか、さまざまな相談にも常に応えるようにしているという。困ったときに知らん顔では、リフォーム時にノコノコ顔を出しても敬遠される。大手だけではないが、住宅会社は顧客のフォローが「宝」であることに気づき始めている。先述のハウスメーカーのように、住宅所有者を蔑ろ(ないがしろ)にすると、せっかくの顧客からそっぽを向かれることになる。
【石崎】
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