27日夕に閣議決定された「2011年度予算の概算要求基準」に対し、批判や疑問の声が上がっている。同基準では、成長戦略などに重点配分される1兆円超の「元気な日本復活特別枠」の財源として、既存経費を全省庁一律10%削減される。削減対象となるのは、社会保障費、交付税、マニフェスト政策を除いた約24兆円である。
その一律削減というやり方については、閣僚のなかからも批判が出ているという。民主党政権発足時から掲げられていた「予算の組み替え」論は、ある支出を削減、もしくは節約して引いた分を他の分野に充てるというものであり、「一律」という手法とは全く異なるからである。
また、各省庁は10%の削減相当分で特別枠の政策を要望できる。10%以上を削減した場合は、超えた分の3倍ほど上乗せで要望できる。削減は各省庁の自主性に一任。その意欲を高めるための仕組みという。そして、特別枠の配分決定は、公開の場で開かれる「政策コンテスト」で行なわれる。
この「政策コンテスト」について、元総務相官僚である武雄市長・樋渡啓祐氏は「予算査定を公開で行なうのは賛成。であるならば、各省庁と財務省主計局で行なう予算査定、折衝など、また、予算と比べればあまり目立たない税制要望、さらには、内閣法制局審査も『全て』公開で行なうべき」と自身のブログでコメントしている。さらに、「査定大臣」であることが求められているが、実際のところ、自民党時代と同じ「要求大臣」になっていると指摘している。霞ヶ関からは「ようやく大臣を取り込めた」との声も上がっているという。
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