『生サプリ 美肌SP』や『もちもちダイエットおやき』の通信販売で知られる(株)健康生活(熊本県甲佐町、代表取締役:小菅高雄)が7月22日付をもって(株)アスリート・ギフト(新潟県上越市、代表取締役:藤田薫)に経営権を譲渡することが決まった。健康生活は自社ホームページにおいてこのことを明らかにした。
健康生活といえば、6月23日に元代表の中川敏が組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕されて以来、「解散」宣言から一転して営業を再開していた。詐欺集団・東京総合販売(東京都豊島区、清算手続き中)のグループ会社である。東京総合販売も化粧品や健康食品の通信販売で急成長した会社で、業界のなかには「一時数千万円を稼がせてもらった」という受託メーカーもある。元幹部らはダミー会社を通じて違法な手口を繰り返していた。
ネットIBで繰り返し報じているとおり、同グループの元代表・島田則康(警察に拘束中)らがニセ薬販売で得た不法収益によって2008年に設立された通販会社が健康生活だ。有名タレントやモデルを起用したテレビCMなどで急成長し、一説には09年6月期に12億円を売上げ、2010年同月期には30億円の売上を見込んでいたとされている。
元社長の逮捕以降、同社は「解散」宣言から一転して「営業再開」を表明するなど、約1カ月にわたって不自然な営業を続けてきた。その間、ネットIBでは再三にわたり経緯の説明を求めたものの、誠意ある回答は得られなかった。
「在庫処分のための時間稼ぎではないか」との疑惑をよそに、消費者に対して一方的な「お知らせ」を続けた末、とうとう22日付をもって経営権をアスリート・ギフト社に譲渡する旨をまたしても一方的に自社ホームページ上で「お知らせ」している。書面にはこうある。
「つきましては、今後の取引等に関しましては、各担当者より改めて御連絡させていただきます。永きに渡りご愛顧を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。甚だ略儀ではありますが、書面をもちましてご挨拶を申し上げます」。
インターネット上では、不安を訴える消費者の書き込みが複数つづられている。
消費者無視の態度を繰り返した同社の事業を引き継ぐアスリート・ギフトにどれほどのメリットがあるのかも疑問だが、なぜこのようなリスクを犯してまで事業を承継するのかも不明。アスリート・ギフトの藤田代表は、長野に本店を構える(株)モアエンタープライズの代表取締役も務めている。ジャパンギフトチェーンの正組合員で、JAを中心に商圏を拡大してきた。次々と社名を変えて違法行為を繰り返してきた東京総合販売のDNAを受け継ぐことになりかねないアスリート社の動向にも、引き続き注意を払う必要があるだろう。
【田代】
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