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【トップインタビュー】クオンタムリープ代表 出井伸之氏(2)~九州は独立国でもいい
直撃インタビュー
2010年7月27日 08:00

私は感じている。日本・九州の大転換をしなきゃいけない、と。

 ―出井さんは仕事などで九州に来られているようですが、印象はどうですか。

 出井 九州の良いところを見れば、7つの県それぞれに非常にユニークな知事がいらっしゃることですね。個性的な知事の方々がそれぞれ企業誘致や地域ごとの施策を推進されてきたわけです。

 日本のなかでも九州というのは、一番先に炭鉱産業が終わり、産業構造を変えなければいけないともっとも早く感じた地域ですよね。それで政治家の方たち、地元の業者の方たちが動いて新しい九州をつくろうというなかで、ソニーも九州にいろいろな関係で拠点を作りました。要するに、九州が変わっていくことに関しては、日本の産業、とくに電子産業は、三菱、パナソニック、キヤノン、ソニーなどが関わったという意味で、シリコンクラスター的なものが九州にできたと思います。

クオンタムリープ代表 出井伸之氏 だけど、九州に行ってみるとすごく不思議なのは、道路が分断されているということです。福岡に集まろうと思ったら、九州内の交通の便があまりよくなくて、東京経由で来たり、韓国の仁川経由で来たりする方が速いくらいです。交通だけ見ても、東京と長崎、東京と福岡という視点で考えるからこうなってしまったのではないでしょうか

 その一方で、九州だけで日本のGDPの10%近くあるということは、ものすごく大きなことです。少し前に世界経済危機を引き起こしたハンガリーは広島県と同じくらいのGDPだそうです。そういう意味では、九州はほとんど独立国と言ってもいいくらいの力があると思います。サイズ的にはもちろん、大学にしても産業にしてもいろいろなものが揃っているわけです。

 ところが九州に来ると、何というか、タイムスリップしたように感じるときがあります。ある意味でいい地域だとも言えますが、やはり東京から離れているだけあって、かなり違うなと感じるところがあります。九州のなかにいると、そうは感じないかもしれませんが、ゆったりとした生活感があって住みやすい街なのだと思います。

 けれど一方で、これでアジアの成長著しい国々と競争していけるのかということになりますと、どうでしょう。財界の方々のなかには九州出身の方が多いし、彼らは団結心がありますが、東京の動きと九州全体の動きが同期していないような気がしてなりません。

(つづく)

【大根田康介】

<プロフィール>
出井 伸之(いでい のぶゆき)出井 伸之(いでい のぶゆき)
1937(昭和12)年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。60年にソニー入社。95年に社長就任。99年よりCEO(最高経営責任者)を兼務。2000年、会長兼CEO。05年に退任。06年、クオンタムリープ株式会社を設立し、代表取締役に就任。産業の活性化や新ビジネス・産業創出を実現するための活動をグローバルに展開している。他にアクセンチュア、百度(Baidu)、フリービットの社外取締役、美しい森林づくり全国推進会議の代表などを務める。著書に『迷いと決断―ソニーと格闘した10年の記録』(新潮社、2006年12月)、『日本進化論―二〇二〇年に向けて』(幻冬舎 、2007年7月)、『日本大転換―あなたから変わるこれからの10年』(幻冬舎 、2009年9月)などがある。

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