ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

福岡への提言

「ゆとりのある街へ」~照栄建設(株)・中村社長
福岡への提言
2010年8月 1日 08:00

<今は価値観が変革する過渡期>

 戦後、日本は雨露をしのぐための建物づくりに追われました。少しでも早く、少しでも安く。とりあえず住めるものをつくり、復興を急ぎました。その後、イザナギ景気、高度経済成長を迎え、これまでのように「住めればよい家」や「仕事ができればよいオフィス」を取り壊し、よりよい品質の建物を求め始めました。そしてバブルが崩壊し、経済が収縮してしまいました。新しいものを次々とつくっていったことによる意識でしょうか、「新しいものはいいものだ」という考え方が日本人に根付いてしまっていたような気がします。
福岡都心部のマンション群 新しいものはいい。これはある意味で正解ですが、ある意味では不正解です。最新のパソコンは10年前のものよりも性能が格段に上がっているのと同じく、建物も新しい技術が日夜開発されております。しかし、環境的な側面から言いますと建物を使い捨てのように扱うのは間違いです。廃棄物を出し、新たな材料を用いなくてはならないため、環境負荷は高まります。何よりお金がかかります。
 外国では築200年の住居を自慢するような光景がよく見られます。このように建物を使い捨てずに長く使うことの大切さを日本人も見習わなくてはならないかもしれません。今は100年住宅、200年住宅といった長期間使うことができる住宅を政府も推奨しています。以前から建築物は長期の使用に耐えることを目指してはいましたけれども、その考えが甘かったために、時間の経過とともに管の腐食、躯体の劣化などといった問題が出てきてしまいました。これからははっきりと100年単位の変化を踏まえた設備、デザインの建物が普及してしかるべきと思います。親の世代が建てて、子、孫の世代がリフォームしながら引き継いでいく。使い捨てから継続使用への価値観の変化。これが今後の主流になるのではないでしょうか。

<長く使うことでメリットを得る意識>

 価値観の変化は住宅そのものに対する考え方にも及んでいるようです。以前は一軒家を持って一人前、というような感覚が強かったのですが、現在は違います。年を重ねるごとに利便性が高い都市部に魅力を感じるようになってきているようです。賃貸マンションで一生涯過ごされる方も増えてくると思います。私たちは建設業者として、この流れも真摯に受け止めなくてはなりません。
 マンションも戸建て住宅と同じくより長期の使用に耐えられるようにつくるべきと思います。今、築30年、40年のマンションが建て替えの時期に来ています。その際に様々な問題が露呈しているのです。
 マンションを長く使うためには構造を支える躯体の強度を増したり、生活スタイルに合わせて仕切りの位置、水まわりの位置などが変えられたりするような柔軟なデザインが必要になります。そうなるとイニシャルコストが高くなってしまいます。ここに意識の変革が求められるのです。初期費用がかさむから従来の工法でよい、ではなく、初期費用がかさむから長く使って元をとる、という考え方です。そのためには定期診断などのメンテナンスも行なわねばなりません。意識の変革を具体的に実行し続けなくてはならないのです。
 使い続けることに重きをおく価値観を一人ひとりが持つ。そうなれば、ものを大切にする豊かな街ができていくのではないでしょうか。

<プロフィール>
中村 悦治 (なかむら えつじ)中村 悦治 (なかむら えつじ)
1952年10月生まれ。同社専務として前畑一人前社長をサポートし続け、02年に代表取締役社長に就任。趣味はゴルフと読書。

<会社概要>
照栄建設(株)
代表者:中村 悦治
所在地:福岡市南区向新町2-5-16
設 立:1972年6月21日
資本金:1億6,400万円
TEL:092-566-1249
URL:http://www.shoei-k.com/


*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

福岡への提言一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル