国内銀行で、2010年度に入って貸出金利の低下傾向が一段と強まっている。日本銀行が金融緩和姿勢を鮮明にしており、資金供給額を20兆円まで増額した0.1%固定金利の「新型オペ」を実施するなどで市場金利が低下したのが背景にある。都銀の貸出約定平均金利は1%以下、地域銀行も1%台後半まで落ち込んでいる。4~6月期には全体の貸出残高が約7兆円減少したが、金利「0.25%~0.75%」の低利貸出だけが5兆円近く増えており、先行きの収益圧迫要因になりかねない状況にある。
この現象は、「上・中位格付先」に見られるもので「下位格付先」は高金利借入を余儀なくされているのが実態である。
【久米 一郎】
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