「注文住宅」―施主が自由に選べ、想像していた理想の「家」を実現できると思うだろうが、現実は違う。そもそも、注文住宅と謳いながら、その中身は大きく2つに大別できる。「イージー」と「カスタム」だ。
イージーオーダーの代表格は大手ハウスメーカーである。自由設計の注文住宅のようだが、実は違う。標準仕様のなかから決めていくのだ。外壁、屋根、サッシ、室内ドア、住設機器などメーカーとタイアップして大量に仕入れる、あるいはロットオーダーと呼ばれる方法で選定する。これにより、ハウスメーカーは品質を安定させることができるのだ。そのため、同じような商品でもメーカーが異なれば価格が上がるのは、指定メーカーとは大量仕入れによりコストを下げているものの、指定以外の商品では価格が上がってしまうからである。
また、とくにプレハブ系は工場で生産しているため、1つひとつを作ることなど不可能。仮に作るとしたら、莫大な費用がかかってしまう。住宅会社が選定したなかからチョイスするのであれば、イージーオーダー系の住宅会社でも問題なく上手に合わせることができれば、同様な商品でも安い価格で住宅を買うことができる。ただし、オリジナル性や特別仕様は難しくなる。
一方、カスタムオーダーは、地場の工務店や住宅会社などに多い。ハウスメーカーのように商品が固定化されておらず、顧客の注文に対して細部まで取り入れることが可能だ。しかし、大手に比べると、設計能力やデザイン性などで劣るところがあるため、顧客側の知識によっても大きく左右されることになる。提案に任せるというよりは、一緒になって家を造る感じだ。また、外断熱や内断熱、断熱材などや自然素材に健康志向、工法やデザインなど、各企業によって独自性を打ち出し研究を重ねているところも多い。そのため、顧客は自身のライフスタイルや嗜好に沿った工務店を選べば、理想の家づくりが実現できる可能性が高い。
極端な例では、その工務店がこれまで使用したことがない部材でも使用可能で、自由な材料、機器の組み合わせができる。
(つづく)
【石崎】
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