先月30日既報の(株)トクヤマの子会社である大阪市本社の徳山生コンクリート(株)は、7月29日に負債28億円を抱え特別清算申請の準備に入った。負債全額を親会社が負うことを表明している。年商を超える負債と9億円の債務超過であったという。
今回は、メーカー系の生コン工場の破綻である。九州徳山生コンクリート(株)に近い関係者によると、「グループとして大変ショッキングな事態であることは確かである。福岡地区の影響は無いが、他人事ではないだろう。メーカー系であるから安泰ということは絶対にない。危機感を持って日々活動しなければならない」と語る。一方、福岡地区の生コン製造会社幹部数名に取材したところ、「推測の域を脱しないが、メーカー系生コン工場は親会社からの出向者が大多数を占める。今回の徳山生コンクリート倒産で、社長以下全従業員は、解雇されるであろう。債権者には迷惑を掛けないが、社内での粛清は厳しいものになるだろう。親会社が負債を全額支払うことで、親会社が唯一の債権者となることで信用を損なわず、子会社が倒産したというイメージを世間に与えることを極力回避出来る」と分析。続けて「ただし、このようなケースは資金力豊富なバックアップがあれば可能であるが、地元の生コン工場はほとんどが超零細企業。市況停滞で、斜陽している業界にあって今後は、廃業に追い込まれる工場が福岡でも出てくるだろう。最悪破綻する工場も有るだろう。徳山生コンクリートの破綻で、一気に危機感が高まるであろう。工場集約化に拍車が、掛かればいいのだが...」と語る。
「自分の工場は大丈夫」とは言っていられない状況になってきたようだ。
【河原 清明】
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