3日、三井造船(株)(本社:東京都中央区、加藤泰彦社長)は電動化改造を行なったトランステーナ4基が荷役作業を開始したと発表した。
これは2009年12月に九州地方整備局から受注していたもので、「博多港アイランドシティコンテナターミナルにおけるヤード用コンテナクレーン(トランステーナ)の電動化工事(工事名:港湾荷役高度化設備工事)」として既設クレーン改造およびヤード給電設備の整備工事などを進めていた。
今回稼働開始した電動化トランステーナは、ディーゼルエンジンを搭載した既設トランステーナに集電装置を取り付け、ヤード内のコンテナ蔵置レーンに沿って設置されたバスバー(給電線)から電力の供給を受ける構造に改造したもの。また、自動脱着集電装置の導入によりコンテナ蔵置レーン間を移動するレーンチェンジ時は、人手を介さずに安全にレーンチェンジが可能となる。
同工事ではコンテナヤードでの荷役作業への影響を最小限にするため、工事エリアを4つに区切り段階的に給電設備整備やバスバーの設置を行なっている。今回稼働開始したのは1列のバスバーと隣接した2レーンで、今後は残りのコンテナヤードの給電設備整備やバスバー設置と並行し、既設トランステーナ残り9基の電動化改造を行なう。
秋には同社大分工場で現在製作中の蓄電池を搭載したエンジンレスの完全電動トランステーナ4基を納入し、年内には9列のバスバーで15レーン、新設の4基を加えた全17基が稼働し、完全電動化へ移行する予定としている。
なおバスバー給電方式および自動脱着集電装置の導入、また蓄電池によるレーンチェンジを含めたトランステーナの電動化は国内では初めての試みで、トランステーナの電動化を導入することによりCO2排出量およびエネルギーコストの削減、ターミナルの効率化の効果が見込まれるとしている。
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